専門家が警告 エンプティカロリーにご用心

1998.04.10 31号 3面

江上料理学院の江上栄子院長は、氾濫する情報の中で間違った知識を受け入れてしまうのでは、と心配する。

「いろんな情報が飛び交うでしょ。いままで良いとされていたことが急に悪いということになってしまったり。もちろん研究の結果、真実が分かるのはとてもいいことだけど、一部だけを極端に強調して報道したりする、あれは困りますよね。例えばもっと健康になるために痺せたい。そのためにはとにかくカロリーを減らせばいいと思っている人がいる。けれど大体カロリーを減らすと栄養分も落ちてしまうもの。そうではなくてカロリーだけ落として栄養は落とさない。むしろ必要量はキチンととる。何をとって何を落とすかを考えないといけないんです。これは結構難しいですよ。工夫してカロリーをちょうど二○○○キロカロリーで抑えたと喜んでいても、栄養が足りないということもあります。いかに栄養のあるものを組み合わせて食べるかを考えないとね」。

ツマミさえ食べなければアルコールでは太らない、こんな情報を信じている人もいる。その真実はどうなのか?

「アルコールもカロリーはもちろんありますよ。例えばビールは一カップで八○キロカロリー。それもエンプティカロリーなんです。高カロリーなくせに栄養価はほとんどないという意味。また、アルコールのカロリーはエネルギーとして使われにくいという研究報告を耳にします。だからアルコールはいただき方に注意が必要です。ビタミンB1はアルコールの分解を促進するともいわれています。おつまみにはビタミンB1の多い枝豆、豚肉、ハム、ピーナッツなどが適しています。ビールのおいしい季節に向けておつまみの選び方には要注意です」。

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