夏バテを優しくいたわるオクラ コーヒーの代用品としても珍重

1997.09.10 24号 20面

「レディース・フィンガー(淑女の指)」の別名を持つオクラ。原産地はアフリカ北東部で、約二○○○年も前からエジプトで栽培されていた。

西アフリカのサバンナでは、長さ二○cmぐらいの細長いものから、周囲が一二cmという太いものまである。実の色は、緑のほか赤紫や黄もある。日本では果実しか利用しないが、アフリカでは茎葉もまた野菜として市場に並ぶ。果実と同じくぬめりがある。

オクラの種子は、煎って粉にし、コーヒー代わりに使われる。コーヒー栽培に適さないイギリスやフランスなどの温帯地方では、オクラの黒い種子が珍重された。代用コーヒーとしては最も優秀なものだという。

オクラ独特のぬめりの正体は、ペクチンなどの多糖類。ヤマイモの粘質物と違い、果物のジャムやゼリーに含まれるのと同じ成分。夏バテ解消・強壮に効果あり。皮膚や粘膜を保護するので胃炎や潰瘍にもよいという。お酒のつまみとして食べれば肝臓を助ける。

また、オクラは、肉や魚を調理するときの“におい消し”としてもたいへん重宝する。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら