ほろ酔いかげん ピンクのお酒「紅」三千鶴酒造
着色料イコール身体に悪いものと思われがちだが、中国で昔から使われている天然の着色料は、何と身体にいいものからできているという。その天然の着色料のもとになっているのが「紅麹」という菌。台湾には、この紅麹で作ったおめでたい席に欠かせない酒、紅酒があるが、日本でも紅麹を使った「紅」という酒が発売され、いま、人気を呼んでいる。この「紅」、冷酒用の硝子猪口に注いで見ると、まるで小さなお花見状態。淡いピンクが美しい。
「紅麹」の着色料自体は、日本の私たちの食生活にすでにおなじみのものだという。カニカマやえびせん、ハム、和菓子などに使われている、あの赤い色素だといえば分かりやすい。日本のこの紅麹を作っている会社は、なんとグンゼ。同社では、バイオ技術によってこの紅麹の大量培養に成功し、紅麹を使った酢や醤油などの発酵製品を販売している。これって、パンツや靴下を染めるのにも使えるのかな?
紅麹は消化を助け、血のめぐりをよくし、内臓を強化し、胃をスカッとさせる。さらにコレステロールや血圧によい働きもあるという。中国では古来から漢方薬として珍重されてきた。食品の腐敗を防ぐ作用から、保存技術としても活用されている。
田舎の母から届いた漬物を肴に「紅」をちびりとやる。美しい色付けがしてある母の漬物。「うちでとれた大根、見栄え悪ィから、化粧してやらねェと」と、化粧っけのない顔で笑っていた母の笑顔が浮かんだ。
▽グンゼ(株)健康食品センター=06・348・1319
▽三千鶴酒造(株)=086・522・3276