「野菜をおいしく食べる方法」 料理研究家・小林カツ代さん

1997.02.10 17号 2面

料理研究家・小林カツ代さんは、野菜をおいしく食べるための方法として、“切り方に気を配る”ことを提唱している。「野菜に走っている繊維、これがポイント。繊維に沿って切れば歯ざわりはシャキシャキ、煮込んでも崩れにくく、見ためもきれい。反対に、繊維を断ち切った切り方をすれば、火が通りやすくやわらかく仕上がります」。常備野菜のレギュラーメンバー二点を例に、その秘けつを教えていただこう。

●白菜

テーマは軸の切り方です。鍋物に入れる時は、斜めに包丁を入れてそぎ切りにするのが常識のように言われていますが、これだと繊維断ち切りの部分が多くなって汁が全部ダシ汁の中に入ってしまいます。残ったのは抜けがらだから、水分が多くベチャベチャでおいしくない。軸は縦に繊維にそって切るのが正解。炒め物にするとシャキシャキ感が出て、よりその違いが分かります。

●ニンジン

「キンピラを作る時、まず斜めに薄切りにして、さらにその輪切りを細く千切りにすると、繊維を二回断ち切ったことになります。歯の丈夫な人ばかりだったら繊維にそって切り、ハリハリ感を楽しむのもいいけれど、お年寄りや小さな子どもと囲む食卓だとしたら、こうした方がだれにでもおいしく食べられます。

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