中国療法センターらくらく鍼灸指圧治療院(下)耳のツボでやせるってホント?
耳のツボでやせる!という話をTVや広告チラシで見たことがある人は多いだろう。今回で三回目の登場の中国療法センター・鍼灸らくらく治療院でもこの耳のツボダイエットの施術を行っている。どうして耳のツボを押せばやせることができるのか、院長の佐藤宏子さんに伺った。
「耳も足の裏同様、全身を相関しており、たくさんのツボが密集しています。ダイエットのために押えるのは、そのたくさんのツボの中から四ヵ所あります。
耳のツボを刺激するだけで体重を落とせるなんて、ダイエット願望の強い女性にとって何て魅力的な話だろう。「いえ、正確にいうとツボを押さえることで体重が落ちるという訳ではないんです。食欲を抑えるツボがあるんですね。そこに刺激を与えることで通常よりも食べる量を抑制しやすくするんです」。それにしても、ダイエット中の「どうしても食べた~い」という気持ちを無理なくコントロールできるのは、やはり嬉しい。
さて、それではモンダイの四つのツボというのを教えてもらおう。「上から神(しん)門、胃(い)点、渇(かっ)点、飢(き)点とあります。一番上の神門はストレス性の過食を抑えるツボですね」。
銀粒と呼ばれる小さな粒を貼るのが一般的だが、佐藤さんは神門と胃点には王不留行という少し大きめの黒い粒を使う。「最初は少し痛いけれど、この方が効くので」とのこと。この二点にはさらに耳の裏側にも銀粒を貼る。「貼った時点ではかなり強い刺激を感じますが、段々、慣れてきます。ですから食事の三〇分くらい前に各点を指で押し新しい刺激を与えます」。
一度の貼付で継続する刺激は二日程度。二日たったらまた来院し、先に貼った粒は外し、今度は反対側の耳の四点六ヵ所に粒をつけてもらう。こうはすればツボの刺激に慣れず、長期間の療法が可能になる。
「二週間くらいで効果が出たという声もありますが、できることなら二~三ヵ月続け、段階的なダイエットを目指したいですね。一ヵ月間に落とす体重は一~二キログラム以内にとどめる方が理想的といえるでしょう。
耳のツボに頼るばかりでなく、食事にゆっくり時間をかけることも大切という。「満腹中枢は胃に物が入って二〇分以上経過すると作用し始めます。だから早食いは大食いのもとになるのです」。
美容のためばかりでなく、高血圧や糖尿病といった成人病対策でも体重コントロールは重要なテーマだ。東洋医学のメカニズムを正しく知って賢く活用したい。
▽らくらく治療院=東京・渋谷、03・5458・4121。耳のツボ療法一回五〇〇円。