クオリティ・オブ・ライフ応援委員会 中国滞在療養が中高年に大人気
気功・漢方・鍼灸など、中国の健康法が大流行。さらにヘルシー食志向の日本人にとって医食同源の理念に基づいた中国の薬膳料理は神秘あふれる魅力的な存在。食べ放題ランチにも登場するほどの薬膳ブームが起きている。また、中国を訪れる日本人は近年非常に増えており、中高年向けの中国滞在療養にも参加希望者の増加が予想される。
「二、三日で身体の調子が変わり、四日目でアトピーや腰痛が消えてきた」
中高年向けの中国滞在療養事業を企画した中日蓬莱療養(株)の笠原紀夫社長は「中国には、病院とは別に療養院があります。そこは、病気というほどではないが少し身体の調子がすぐれない人が、元気を回復するため滞在療養する施設。中国では発病の前段階『未病』状態での療養を大切にするのです」と語る。
滞在療養は昨年10月から実施され、若い女性にも人気となり、リピーターも出てきているとか。推拿(スイナー=治療目的の中国流按摩)、気功、鍼灸などの治療を受け、処方された薬膳料理を食べるという内容で、一週間の体験コースから一ヵ月以上の長期滞在まで五コースがある。
この滞在療養の特徴は、なんと中国人民解放軍の施設を利用すること。「軍幹部用の療養院で日本人向きに中を改装してある客室に宿泊します。また料理・治療など各種サービスを本場現地の軍医が担当します」と笠原氏。広大な敷地内には中国庭園や文化遺産も多く、一般の市内観光では味わえない体験ができるという。
中国では、資金などあらゆる面で軍が絶大な力を持っている。現在五つの軍管区があり、そのうち同社と提携しているのは南京軍区というところ。治安の面でも安心だ。
また同社は中国の医科大学と共同で日本人の身体と嗜好に合う薬膳料理を開発中。「日本でブームの薬膳料理の多くは、燕の巣やクマの手など珍食材を使った高級中華料理がほとんど。もともと薬膳とは、身体に現われた症状を軽減するための漢方療法であり、一人ひとりの身体にあわせた料理であるべき」と笠原氏。糖尿病、精力減退、胃弱、衰老防止など症状別メニューづくりをすすめており、将来的に滞在療養帰国後のアフターケアとして冷凍の薬膳料理の宅配サービスを行う予定だ。