１月１０日号の「百歳元気新聞」が届き、まず一面。ああ、初釜かぁ。お茶も久しぶりに点てたいなぁ…と思いをはせながら裏返すと「きょうは十日戎」とあった。「えべっさん！」と声に出してしまった自分にビックリ。これが関西生まれの血でしょうか。関西を離れ、栃木で暮らす今は「えべっさん」のことなど思い出すこともなかったのに急に懐しく「笹もってこい、こい」と浮かれた気持ちで筆をとりました。

栃木ではほとんど見かけない「みずな」の写真。くじらのお肉が手に入りやすかった時代には、くじら肉とみずなだけでいただく「ハリハリ鍋」は一般家庭の料理でもあったように思います。みずなは余り煮こまずさっと食べると「しゃりしゃり」とした歯ごたえと音。これがたまらない。

久しぶりに想い出すとどうしても食べたくなるもの。くじらの肉は牛肉にするとして、さてみずなは栃木で手に入るのかしら。スーパーめぐりに出かけてこよう。私の作る料理の味もだんだん関東味になってしまったが、本日の夕食は故郷関西の味「現代風ハリハリ鍋」を家族のみんなに披露するとしましょう。

（栃木県・石川千里、３６歳）