料理人の推奨食材:「中華料理 新世界菜館」傅智料理長 ヤマサ醤油「ヤマサ重ね仕込しょうゆ本懐石」

2016.12.05 454号 16面
傅智(ふう・さとる)「中華料理 新世界菜館」店主

傅智(ふう・さとる)「中華料理 新世界菜館」店主

ヤマサ醤油「ヤマサ重ね仕込しょうゆ本懐石」

ヤマサ醤油「ヤマサ重ね仕込しょうゆ本懐石」

 ◇既存メニューがレベルアップ 非加熱で味わい安定 中国料理の前菜に使いたい

 東京・神保町の交差点近く、秋風が心地よくなる9月頃から、上海蟹を求める客が殺到する老舗「中華料理 新世界菜館」がある。ひいき客を引き付けるのは、自ら仕入れるこだわりの食材と、素材本来の風味を引き出す、確かな調理法。食べる人の体を大切に思う、繊細な料理を現代につなぐのは、昨年料理長に就いた傅智料理長。日本醤油の最高傑作ともいえる、ヤマサ醤油最高峰の「重ね仕込しょうゆ本懐石」を見立ててもらった。

 傅氏は「本懐石」をさまざまな既存レシピで試用。総じてまろやかに仕上がったとして、うま味の強さを評価する。塩カドなど変なクセがなく、コク深い味わいと甘味、おだやかな香りは、火入れせずにそのまま用いて生かすべきと指摘する。

 前菜のイクラの醤油漬けは「本懐石」ならみりん要らず。上海料理は全般に甘い味付けが好まれ、煮込み料理などで砂糖をよく使うが、「本懐石」だと余分な加糖も減らせる。

 麺料理の合わせだれは塩カドを取るのに普通沸騰させるが、「本懐石」ならそうした手間も不要。夏に人気の冷やし中華なら、食酢の酸味を先に飛ばし、「本懐石」は加熱せずに加えたい。完成度の高い醤油でたれの個性が高められる。

 名物料理の一つに上海蟹の蟹みそとフカヒレのスープがあるが、今後は「本懐石」を使ったレシピへ改良予定。「本懐石」だと味がまとまりやすく、仕上がりも格段に向上できる。

 「新世界菜館」は創業時から日本の醤油を使い、現在はヤマサ醤油を常用する。火と油の料理とされる中華は、醤油にこだわる調理人が少ないとみられるが、調味料も最上のものを選ぶのが同店のモットー。食材は産地へ赴き、吟味した旬の野菜などを使用。自然を生かしながら、食べる人に負担の少ない調理を心掛ける。顧客の長年の支持に応える、傅料理長の思いをヤマサの自信作「本懐石」が後押しする。

 ●プロフィール

 傅智(ふう・さとる) 「中華料理 新世界菜館」店主・料理長 1980年東京生まれ。中国・上海の「丁香飯店」、寧波市の「鮮陽漁港」で3年修業。08年の帰国後は「赤坂維新號」グループ各店で学び、10年に実家の「中華料理新世界菜館」に戻る。15年から3代目料理長を務め、伝統継承とともに品質、メニュー、サービスのさらなる向上に努めている。

 ●店舗情報

 「中華料理 新世界菜館」

 所在地=東京都千代田区神田神保町2-2

 自社輸入する上海蟹の名店として知られる、創業60年の中華料理店。優しく、素朴で深みのある味わいに定評がある。中華風カレーライスや冷やし中華、直輸入の紹興酒「大越貴酒」も人気。上海蟹は例年9月頃から翌1月末まで、蟹みそ料理は通年提供する。

 ●商品紹介

 「ヤマサ 重ね仕込しょうゆ本懐石」 ヤマサ醤油(千葉県銚子市)

 伝統と技術が結集した最高峰

 うま味の目安となる窒素分が一般的な醤油より20%多い超特選醤油。3種類の麹を使う「重ね仕込:追い麹製法」(特許取得)によって、軟らかな香りと明るく澄んだ色、強い甘味、濃厚なうま味を引き出している。

 規格=1.8L×6

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: ヤマサ醤油