全国清涼飲料特集
全国清涼飲料特集:上半期を彩ったトピックス=伸長続く「茶色い茶系飲料」
「麦茶」「ほうじ茶」「紅茶」という“茶色い茶系飲料”の伸長が目立ち、特に、この上期には「紅茶」での提案が活発化している。これらは止渇性だけでなく、「香り」でほっとする、リフレッシュするなどのシーンでの飲用が拡大している。
高まる健康志向から、糖離れ層に向けてキリンビバレッジは「午後の紅茶 おいしい無糖」を強化し、オフィスでの生産性向上への貢献も目指すなど、新たな取組みを開始している。その「午後の紅茶」ブランドは、3月に新発売した「ザ・マイスターズ ミルクティー」が115万ケース(6月現在)を突破するなど、当初の予定を大幅に上回る好調さだという。甘さ・糖離れ志向の働く大人の女性層を中心に提案する“甘くない微糖ミルクティー”が20~50代まで幅広い層から支持され、高いリピート率を誇る。既存の主力4品(スタンダード・レモンなど)も好調に推移しており、同社が推進する「紅茶派」ユーザーが拡大している。
また、パーソナルPETコーヒー市場を創出したコーヒーブランド「クラフトボス」(サントリー食品インターナショナル)からの「無糖の紅茶」提案となる「クラフトボス TEA ノンシュガー」に加え、すっきりと飲み続けられる軽やかな味わいの新感覚ミルクティー「クラフトボス ミルクTEA」も投入され、新たな選択肢の提案も加速している。
「紅茶に果汁をたっぷり注ぐ」新たなコンセプトを提案するコカ・コーラシステムの「紅茶花伝 クラフティー(CRAFTEA)」シリーズは「贅沢しぼりアップルティー」を新たに投入し、ラインアップ強化。
この「紅茶」飲料市場の好調要因について、「各社が新たに投入した『紅茶』の新商品がヒットしたことで、『紅茶』の魅力を消費者に再認識していただけたのではないか。紅茶に対する飲用機会の限定的なイメージが、新型のPET容器での新たな飲用提案などによって広がり、その味わい提案も含め、消費者の支持が全世代で拡大している」と平野真太郎キリンビバレッジマーケティング本部マーケティング部ブランド担当担当部長は語る。
「TEAs’TEA NEW AUTHENTIC 生オレンジティー」を新発売する伊藤園や30周年を迎えた大塚食品の「シンビーノ ジャワティストレート」は「無糖紅茶」としてのブランドの素性を訴求するなど、「紅茶飲料」の活性化は続く。
この上期は紅茶(リーフ)市場も順調に推移しており、外食産業での「タピオカミルクティー」がブームなど、「紅茶」とのタッチポイントも拡大していることも、好調な要因の一つといえるだろう。