昭和産業、20年3月期 中計最終年度は減収増益 新型コロナ影響増
昭和産業の20年3月期連結決算は、売上高2540億1700万円(前年比0.7%減)、営業利益88億0800万円(同4.3%増)、経常利益101億6000万円(同3.8%増)、純利益67億6400万円(同6.8%減)と減収増益となった。
同社にとって前期は、90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」の実現に向けたファーストステージ「中期経営計画17-19」の最終年度だった。その中で、五つの基本戦略「基盤事業の強化」「事業領域の拡大」「社会的課題解決への貢献」「プラットフォームの再構築」「ステークホルダーエンゲージメントの強化」についての施策を着実に推進。「基盤事業の強化」では、今後顕在化してくる労働力不足への対応や価格競争力の確保のため、船橋工場内にプレミックス工場を新設することを決定した。最新の自動化設備や、IoTによる高い生産性と、生産リードタイムの短縮、多品種小ロット生産を実現するとともに、食品安全についてもより一層追求していく。
「事業領域の拡大」の施策については、台湾大成集団のグループ会社の國成麺粉股〓(フン)有限公司および中一食品股〓(フン)有限公司が実施する第三者割当増資に際して株式を引き受け、台湾において新たに製粉事業、飼料事業(鶏卵)に参入した。
21年3月期の連結業績予想について、新型コロナウイルス感染症の拡大による個人消費や企業活動への影響が、同社グループの事業にも影響を及ぼすものと考えており、第2四半期までこの状況が続くと想定し、売上高で46億円、営業利益で8億円、経常利益で8億円、当期純利益で6億円程度の下振れ影響を織り込んだ。
21年3月期連結業績予想は、売上高2560億円(同0.8%増)、営業利益84億円(同4.6%減)、経常利益92億円(同9.4%減)、当期純利益65億円(同3.9%減)とする。(久保喜寛)