食品経営者フォーラム、米倉氏が講演 実践的なDXには目的の明確化必要
日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラムが15日に開催され、米倉裕之TrueData代表取締役社長が、食品業界のサステナビリティイノベーションとDX時代の経営をテーマに講演し「実践的なDXには、データとテクノロジーをどう使っていくかのノウハウ、この三つが絶対的に必要で、企業は何をしたいか目的を明確にして未来を作っていくべきだ」と語った。
米倉氏はDXの一つの方向性として、顧客ロイヤルティーを上げるためAIを活用したマーケティングの取組みが進んでいるとした上で「データが分かってくれば顧客の状況を把握でき、どういう施策を打てば、コスト削減しつつ効果の最大化を実現できるかという話になる」と強調。
例えば、IDPOSデータをつなげて商圏にどんな顧客がいるか、データ分析のロジックやAIを使うと、割引好き、ポイント好き、値引きに反応する層、しない層などが把握でき、加工した情報発信をそれぞれの顧客に行うことでロイヤルティーの向上とともに離反防止にもつながるという形だとした。
活用ノウハウについては、データアナリスト、マーケッター、アナリストなどの専門家をチームアップして取り組むわけだが、日本ではデータマーケティングを実践できる人材がまだ少なく、学生を対象にした人材育成をビッグデータマーケティング教育推進協会と実施しており、ともに未来を作ることにもさらなる協力をしていくとした。(阿久津裕史)