からし製品を取り巻く環境はこの1年間で全体としては堅調に推移したといえる。家庭用は昨春の反動で、一時期市場は前年を割り込んだが現在は回復基調にある。業務用は外食向けなどで厳しい状況が続くものの、最終製品が家庭用となるミニパックの動きは底堅く市場を支えている。ある程度安定しているからし市場だが、徐々に影響を与えつつある懸念がある。それはからし原料価格の上昇だ。カナダ産からし原料は作付面積の減少や天候不順による収量減でスポット価格は上昇している。今後、この価格上昇が来年産にも及ぶこととなると、そのコスト吸収は各メーカーにとって大きな課題となる。(高木義徳)