からし特集

からし特集:家庭用=全体として好調持続 7月以降、市場は再び回復傾向

調味料 特集 2021.10.20 12311号 08面
「マイユ」製品のメニュー提案動画で店頭アピール(写真は「チキンのハニーマスタードレモングリル」)

「マイユ」製品のメニュー提案動画で店頭アピール(写真は「チキンのハニーマスタードレモングリル」)

 からし関連製品の家庭用市場は8月までの1年間で練りからし市場は前年比0.1%増、マスタード類は同5.0%増となった。粉からしは同8.3%減。食品全体として家庭用製品は、コロナ禍での内食化傾向の拡大や外食控えなどで伸長してきた。特に昨年春は、多くの需要が発生し家庭用製品は好調に推移した。この反動で、今春はやや数字を落としている。からし製品もほぼ同様の動きを示している。ただし、直近3ヵ月の家庭用市場をみると、練りからしが前年比で若干の減少、マスタードは前年を上回って推移し、回復傾向が見られる。

 エスビー食品のからし関連の家庭用製品は3月までの1年間で練りからし類は前年を上回って推移した。洋風マスタードの「マイユ」シリーズはほぼ前年並みとなった。「マイユ」シリーズはこれまで、店頭での試食やメニュー提案、ソーセージ売場などでの関連販売などで数字を伸ばしてきたが、これらの積極的な店頭販促ができなかったことでやや伸び悩んだと思われる。4月以降のからし製品は練りからし、マスタードと両分野ともに前年を上回った推移を見せている。特に大容量タイプは好調を持続している。4月以降、徐々に店頭での販促活動が行えるようになってきたことが奏功している。ハウス食品のからし関連の家庭用製品はこの3月までの1年間の出荷実績で前年比20%ほど伸長した。特に上期がコロナ禍での内食増の影響を受けて伸長した。この4月以降は今上期で前年を下回った。大容量タイプなどは好調な推移。

 KSP-POSデータの9月までの1年間の実績をみると、からし全体の市場は金額の前年比で2.3%増、数量比で1.7%増と伸長した。ランキングを見ると、ランクアップしたのはエスビー食品の「マイユ 種入りマスタード」が昨年の5位から3位となった。他に大きな変動はないものの、11位にエスビー食品の「お徳用つぶ入りマスタード」がランク入りし、大容量タイプの人気の高さを裏付けている。

 コロナが落ち着きつつある状況とはいえ、積極的な販促策は打ちにくい状況が続いている。秋冬にはおでんが需要期を迎える。各メーカーはこの需要期をとらえることに加えて、最近はチューブタイプのバラエティー化が進み市場は活性化している。豊富なチューブのラインアップを店頭で伝えることで、以前から主力カテゴリーとして存在するからしのチューブをアピールし市場拡大につなげていく。

 またマネキンによる店頭販促が行えないため、店頭での映像やホームページでのメニュー提案でからしやマスタードの新たな利用法をアピールする。エスビー食品は「マイユ」製品で店頭でのメニュー提案動画を流している。「チキンのハニーマスタードレモングリル」や「具沢山ツナメルトサンド」「チキンとオレンジのパワーサラダ」などのメニューで「マイユ」ブランド」の一層の浸透を進める。ハウス食品はホームページのレシピ紹介で「ねりからし」を使用した「鮭のからしマヨ焼き」などを提案。からしだけに限らず、辛みが特徴のスパイスとマヨネーズの相性がよいため、今後はWeb上でディップのようなメニュー提案の実施を検討している。

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