東北地区新春特集2023

漬物・佃煮 2023.01.25
東北地区新春特集2023

 東北は伝統の食文化商品が各県ごとに、あるいは旧藩政のままで細かく息づいている。それらが今の時代、もてはやされもするが成長は望めない。現状維持か右肩下がりに甘んじているところが多いだろう。醸造、麺業、漬物、菓子などの業界が思い浮かぶ。知られた観光客向け銘品は数多くあるが、コロナ禍で需要が落ち、これまでの指名買いは失せ、工場の人員削減、販路見直しに迫られている。地域食品スーパー(SM)の販売申し入れをかたくなに拒んでいるという話も聞く。どこで売れるのか現実を見ていないといえよう。
 全国市場あるいは輸出に活路を見いだすメーカーも東北にある。同業他社との販売競争を繰り広げて体力を消耗するのではなく、価値をアピールし理解してもらう。それにはマーケティング重視、ブランディング戦略も求められてくる。原料へのこだわりでは妥協を排し、安全・安心を貫く姿に学ぶべきところは多い。ダイバーシティーへの取組みでは女性の活用は避けて通れない。売場で商品を手に取るのは圧倒的に女性であり、何が好まれ、なぜ売れないのか、適正価格かどうかなど、その声は日々寄せられている。(東北支局長=三沢篤)