サーモンそっくり「ザーモン」が英国で話題に ヴィーガンSushiメニュー拡大中

英国ではヴィーガンが増加中で、人口の3%がヴィーガン、ベジタリアンを含めると9%になる。年代層でいうとZ世代と呼ばれる若者が中心で、今後もヴィーガンは増加し続けると予想されている。そこで飲食業界でもヴィーガン用メニューを準備する店が増加しつつある中、注目されているのが「ヴィーガン用Sushiプロダクト」だ。

大手Sushiチェーンもヴィーガン向け新メニュー

ヴィーガン用のSushiといえば、今まではアボカド、キュウリ、トマト、パプリカ、シイタケなどがメニュー(ネタ)となっていた。しかし英国大手Sushiチェーン「Wasabi」に新メニューとして登場したのは、サーモンそっくりのネタが使われた「Zalmon(ザーモン)」。もちろん「ヴィーガンSushi」である。見た目も味もサーモンそっくりと宣伝されており、顧客からのフィードバックも良いそうだ。

見た目はサーモンそっくりのヴィーガン用Sushi(Wasabiの公式サイトより)

参照記事:
How many vegetarians and vegans are in the UK?
Veganism Statistics 2022 – How Many Vegans Are There in the UK?
UK Sushi Chain Wasabi Launches Realistic Vegan Salmon – Plant Based News

ネタを試食してみると…

「Wasabi」で使用されている「ヴィーガン用Sushi」のネタは、「Vegetarian Express 」というベジタリアン食品を販売する会社から買えるという情報があったので、実際に注文してみた。

注文した「Zalmon」と「Notuna」

「Zalmon」(サーモン代替:約1000円)と「Notuna」(マグロ代替:約1400円)の両方を注文。これらの原材料は、タピオカや海藻などのようだ。見た目はサーモンやマグロにそっくり。ただ触ってみるとコンニャクみたいにプルプルしている。

見た目はサーモンやマグロにそっくり

包丁でカットするのは非常に簡単だった。普通の刺し身を食べるように醤油とワサビで食べてみた。正直にいうと、魚というよりはカマボコやコンニャクのような食感で、あまり魚の味もしなかった。家族や知り合いにも試食してもらったが、皆、同じような感想。刺し身として食べるよりも、ソースや違う食材と混ぜて使う方がおいしく食べられそうだ。

「刺し身」として試食

ヴィーガン人口はさらに増加へ

今後、英国では、ヴィーガン人口がさらに増加すると予想されている。またヴィーガンの人ではなくても、生活にヴィーガン月間やヴィーガン週間などをイベント的に取り入れて、動物食を減らす習慣などを試す人たちも増えている。

Sushiは英国で定着しており、特に若い人に人気があり、ヴィーガンが多い層と重なる。大手Sushiチェーン「Wasabi」に続き、「ヴィーガンSushi」をメニューに取り入れる店も増えていくだろう。また海外ではSushiといえば巻き寿司が主流であり、さまざまなソースと合わせて「ヴィーガンSushi」をよりおいしく食す方法も開発されていくだろう。

現在、代替肉を使用したハンバーガーやソーセージの市場が成長する中、「ヴィーガンSushi」は、ヴィーガン用の新たな商品として今後も発展しそうだ。(フードライター 武田高建)