ロンドンに韓国料理ブーム到来 K-popやモッパンが後押し

K-popやK-dramaなど韓国文化が世界中で流行している。英国でもBTSは人気だし、Netflixでは「イカゲーム」が話題だ。そして食の世界でも韓国料理に注目が集まっている。少し前からキムチはスーパーやアジア系レストランでも置かれていたり、街には韓国式焼肉店も存在していたが、最近では韓国式フライドチキンや韓国式ストリートフードがはやっている。

はちみつバター味の韓国式フライドチキンも

KFCといえば、ケンタッキーフライドチキンなのだが、そのKFCになぞらえて“Korean Fried Chicken”として、韓国式フライドチキンがロンドンで流行っている。韓国ではヤンニョンチキンと呼ばれる甘辛いコチュジャンソースをつけるのが基本だが、ロンドンではコチュジャンソースの他に普通のクリスピーなチキンや醤油ベースの味、はちみつバター味などさまざまな味が提供されている。

「KFC」は、韓国レストランはもちろん、アジア系のテイストを取り入れた外食店でのメニューにも登場している。

「Seoul Bird」のチキンバーガー(筆者撮影)

「KFC」をローカライズ

「KFC」を提供する店の中でも上手にローカライズされ、特に流行しているのが「Seoul Bird」という店だ。店のシグニチャーフードである「ソウルバーガー」は、ヤンニョンチキンをバーガーにしたもの。昨年、シェパードブッシュのショッピングモール内にオープンし、今年2店舗目も出店。筆者も噂を駆けつけ訪問したが、平日昼間にも関わらず行列ができていた。

「Seoul Bird」は平日昼にも関わらず行列(筆者撮影)

またもう一店、注目されているのが「Pelicana chicken」。こちらは本場の韓国で創業40周年になり、元祖ヤンニョンチキンの店とも呼ばれる。ロンドンでSushi&Bentoを広げた「Wasabi」創業者と手を組み、今年ロンドンに「Pelicana chicken」を出店したという経緯がある。ちなみに同店はすでに米国やオーストラリアに進出している。

参照サイト:
Wasabi owner brings Pelicana – the K-pop answer to KFC – to open four branches in London | Evening Standard
Korean street-food place Bunsik has opened on Charing Cross Rd

トッポッキなど韓国式ストリートフードも流行

韓国式フライドチキン以外にもさまざまな、韓国式ストリートフードが流行している。「プンシク」と呼ばれる韓国式軽食であるトッポッキやアメリカンドッグ、韓国風海苔巻のキンパやビビンパなども英国で人気となりつつある。

「Seoul Bird」(ロンドンで流行中の韓国式チキンレストラン)公式サイトより

このような韓国料理の流行は、確実にK-popやK-dramaの影響が大きい。推しのアーティストがYoutubeで食べていたもの、ドラマで主人公がおいしそうに食べていたものに興味・関心が湧くのは当然。

また「モッパン」と呼ばれる出演者が視聴者と話しながら大量の食事をする配信コンテンツも、韓国から世界へ発信されている。韓国料理を提供する個々人のビジネスセンスとともに、こうした文化的な後押しが最近の韓国料理ブームの背景になっているのは間違いない。(フードライター 武田高建)