内堀醸造、高酸度醸造酢開発 独自発酵法で安定生産

漬物・佃煮 1997.11.03 8285号 5面

【名古屋】食酢の内堀醸造(株)(岐阜県加茂郡八百津町、0574・43・1185、内堀泰作社長)は、このほど酸度二〇%という画期的な業界初の高酸度の醸造酢を開発。安定生産に成功したことから、「スーパービネガー20」という商品名で、11月から本格出荷した。

食品工業用食酢は、これまで日本では酸度一〇%物、海外では一二%物がレギュラー品として広く使用されてきたが、高酸度二〇%の純度の高い醸造酢が開発されたことで、食品加工業界に利用効果の広い、新たな製品開発につながる新規需要が見込まれそうだ。

内堀醸造は、日本のほぼ中央に位置する岐阜県八百津で、良質の地下水と清浄な空気の下、一般市販用の高級食酢を製造する一方で、食品加工業界向けの醸造酢も手掛け、高酸度製品の研究も約三〇年かけて行ってきた。通常、酸度一二%の壁をクリアすることが難しいスピリッツビネガーで、一五%物が一部メーカーで開発されたことを受け、九年前から本格的に開発研究に取組み、今春、独自の発酵法で二〇%の高酸度の醸造酢づくりに成功。その後再現性テストを繰り返し、安定的生産が可能になったことから、この11月から本格的に発売する。

高酸度醸造酢「スーパービネガー20」は、酢酸菌のハイテク技術応用によって生まれた画期的醸造酢で、無色透明、しかも綺麗な香りの風味があって、素材の味を引き立てる、まさに食品加工向きの純度の高い醸造酢だ。水産加工や製粉、製麺、惣菜、漬物、ケチャップなどのあらゆる食品加工に利用価値が広がる可能性を秘めており、月産五〇〇tの生産能力を有していることから、多方面にアピールしていく考えだ。

内堀醸造は、「酢造りは酒造りから…」を原点に、来年ISO9001取得を目指す「小さな世界企業」。

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