スパークリング清酒「Zipang」発売(月桂冠)

酒類 2000.03.20 8664号 14面

月桂冠(株)(京都市伏見区、075・623・2001)は、発泡性清酒『Zipang』(ジパング、三三〇ミリリットルびん詰)を3月上旬から発売した。当初は、東京都内ならびに京阪神の飲食店に限定して販売する。同商品は炭酸ガスを吹き込むのではなく、酵母が発酵により生じた天然の炭酸ガスを溶け込ませた本格的な発泡性清酒。アルコール分は七%、発酵炭酸ガスならではのキメ細かい泡と爽やかなのどごしが特徴。炭酸ガスが安定して清酒に含まれているため、キメ細かい泡が長く持続し、冷やしてシャンパングラス(細身で背の高いフルート型と呼ぶもの)に注ぐと、食卓での演出効果も増す。

この画期的開発商品、発酵性清酒は低アルコール清酒の開発の中から生まれた商品で、消費者の要望に応えるため試行錯誤しながら低アルコール清酒開発に努力してきた。しかし、低アルコールでありながら酒の風味を生かすのは至難の業であった。『Zipang』は、低いアルコール濃度をカバーするために、発酵によって得られる炭酸ガスに着目して商品化したもの。低アルコールのジャンルで、日本酒の領域拡大を目指す。

コメ・コメこうじを原料に醸造した清酒をタンク内で二次発酵させることにより、生じた天然の炭酸ガスを低温で溶け込ませている。炭酸ガスの圧力は、シャンパンとビールのほぼ中間にしている。二次発酵の後、ろ過して酵母を取り除き、びん詰する。この方法は、月桂冠が五年をかけて開発した技術であり、一連の技術によって、安定した品質(賞味期間はびん詰から約六ヵ月)、バランスのとれた香味の発泡性清酒が完成した。

『発泡性清酒Zipang(ジパング)三三〇ミリリットルびん詰』

▽原材料名:コメ・コメこうじ・酸味料▽アルコール度:七%台▽日本酒度:マイナス一六・〇▽酸度:二・八▽アミノ酸度:〇・六▽希望小売価格:三八〇円(消費税別)▽希望卸売価格:二九四円(消費税別)▽メーカー出荷単位:一二本ダンボール詰

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