ロシア的健康法 いまも生きる多様な民間療法 野生資源事典

2003.12.10 101号 3面

零下三〇度近くの厳寒に耐え生きる植物たち。力強い生命力みなぎる極東ロシア生まれの野生資源の一部をご紹介。

(1)チャガ(カバノアナタケ)

幻のキノコと呼ばれるサルノコシカケの一種。βグルカンや抗酸化成分などが豊富に含まれ、免疫力増強、発がん抑制、血圧・血糖のコントロール、アレルギー疾患の緩和などの効果が知られる。シベリア産天然物を原料にした『チャガチャイ』(固形物タイプ、ティーバッグタイプ、※b)、粒状の『シベリア霊芝一八〇粒』(※c)

(2)ピフタ(モミ)の精油

シベリアのモミの木を水蒸気蒸留し採取する『モミ精油』(※a)。一〇〇種以上の活性物質が検出されており、結核・狭心症・緑内障・胆石症・やけど・肝臓病・水虫などの治療に利用される他、新陳代謝の活性、殺菌効果などが報告されている。アトピー性皮膚炎に対する特効性が注目され、石鹸や化粧品などに応用されている。

(3)エレウテロコック(シベリア人参)の根

朝鮮人参と同じウコギ科でシベリアでは命の根として珍重される。心身のバランスを回復させ厳しい環境に適応させる効果を持つ「アダプトーゲン(環境適応源)」として、宇宙飛行士にも愛飲されている。写真は顆粒状で湯を注ぐだけで手軽に飲める『シベリア人参茶』(※c)

(4)蜂蜜

ロシアは天然蜂蜜の一大産地。環境汚染のない原生林に咲く花から伝統的な手法で生産する蜜は薬効高く、味も香りも崇高な逸品。『菩提樹(リンデン)蜜』は香り・味とも良く、ロシアで一番の生産量を誇る。『百花蜜』(※a)は薬草の宝庫・シベリアのアルタイ地方に咲く一〇〇種類以上の花から厳選し集めた蜜で、薬効が高く、色も香りも濃密。

(5)シポーブニク(ローズヒップ)

果実ではなく、バラの花托を煮出してお茶として飲む。ビタミンC(アスコルビン酸一八%)、ビタミンB2(リボフラビン)、K・Pビタミン(アントシアニン化合物)、トコフェロール(ビタミンE)、カロテン、ペクチンなどの他、生命維持に重要なミネラルの含有も多い。(※c)

(6)オブレピーハ(サージ)

中国ではサージとして知られる植物。ロシアの冬の生活で貴重なビタミンの補給源。実には有機酸・糖・アミノ酸などもバランスよく豊富に含まれ、自家製ジュースやジャムに加工される。壊血病防止剤やビタミン剤、また放射線障害の治療にも利用されている。葉は抗菌性に優れ、消化器系の腫瘍の内服薬に用いられる。

(7)ブルスニカ(コケモモ)のジュース

シベリアあたりに多く自生する野生種の機能性果実。アントシアニンなど抗酸化作用に加え天然の抗菌力を持ち眼精疲労や胃潰瘍などに良い。一つ一つ手摘みした実の絞り汁に蜂蜜・天然水を合わせた『ブルスニカ・ジュース』(※a)はスッキリした酸味と甘味を持つワインレッドのジュース。

(8)(番外)マイレドック

ロシアの軍事技術を応用して開発されたリフレッシュ&リラックスリング。指先から付け根まで往復させ指を刺激することにより、脳はじめ心身の若さを保つ。銀とステンレスの合金製(※c)。

●問い合わせ先

(a)(株)フィールド電話03・5439・6992

(b)(株)ニプロス電話03・3375・6430

(c)イスクラ産業(株)電話03・3281・3362

◆自然環境を大切にするロシアの人々 厳寒の極東に住む森の番人たち

ロシアの人は自然環境をとても大事に暮らしている。厳しい冬を過ごし自然の脅威を知るからこそ、自然と共存し守ることを最優先するのだろう。「モミ精油作りでも、むやみに木を切らず、森林保護のために下打ちした枝葉を集めて使います。二次利用の逸品なのです」と(株)フィールド・石井奈津代さん。

野生の森林から食材を採取するハンターたちは、貴重な野生資源を守り育てる森の番人役も果たしているのだ。

◆『ユーラシアビュー』これであなたもロシア通!

ロシアのことが好きな人、もっと詳しく知りたい人におすすめの月刊雑誌。ロシアの雄大な自然と歴史、現在のめざましい経済成長ぶりなど、ホットでディープな情報が満載だ。

▽問い合わせ 〒162‐0053 東京都新宿区原町1-10-1-3A

電話03・5281・4455

写真提供:『ユーラシアビュー』

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら