だから素敵! あの人のヘルシートーク:女優・歌手・石野真子さん
昨年、23年ぶりに歌手活動を再開。前作のアルバム『Truth』に続き、先月25日、第2弾の『海の記憶』をリリースした石野真子さん。花のつぼみのようなほんわりとした印象は、アイドル時代から変わらない。その秘密をこっそり教えてもらおう。
‐‐歌手活動を再開したのは、どういう心境の変化だったのですか。
ずっと歌いたかったんですよ。ただ時がどんどん経ってしまったわけで(笑)。本当にチャンスというか、今回タイミングが良くて。こういうお仕事って一人ではできませんから。周囲の方から、「みんなでやっていこう」と声をかけていただきました。一つのアルバムを出そうという目標に向かって、まず『Truth』ができました。それから一人でも多くの人に歌声を聞いていただきたいとライブの活動をしようということになって、この夏に。ホント、一歩ずつです。
ライブには「どんな方がいらしてくれるのかな…」という思いでしたが、いろんな皆さんに来ていただいて…。昔、歌っていた頃のことをよくご存じの同世代の方、いまは会社員になっていたりお母さんになっていたり、さまざまな立場の方が中心になって。それからそんな私の姿を知らない世代の方も。「えっ、歌ってる人だったの? 女優さんだとばかり思ってました…」と若い女性から握手を求められ、感無量でした。
前回のアルバム、どちらかというとミディアムテンポとかアコースティックの曲が多かったのに、「元気が出ました!」とか「すごく明るい気持ちになれました!」のお便りをいただいたんです。曲調じゃないんですね…。同世代の方は「頑張っている姿を見て嬉しい」と思って下さったみたい。私自身、歌うこと自体をとても楽しんだので、その思いが皆さんに伝わったのだとしたら、それはそれでホント嬉しいです。
今度の『海の記憶』は、想像の世界が広がる感じのアルバムです。いろいろなイマジネーションを広げていただけたら、と願っています。
‐‐歌い始めるために、トレーニングや健康管理術、何か始めましたか。
声をよく出すために発声トレーニングはしています。あとは加湿器を部屋に置いたり、歌う日はミニホカロンを首に巻いて温めたり。歌とは直接関係ないけれど、健康維持のために去年からジムで泳ぎ始めました。少しマシントレーニングとウオーキングも。いまのところサイズ的には変わらないけれど、四〇代になって怠けていると体形も変わってくるので、それなりに努力はしないと、と(笑)。そうは言っても行けるときに行く、のんびりペースです。週一回の時もあれば、仕事で忙しくてひと月ぶりなんて時もあるし。ジムに行けない時は家でエクササイズをしています。
とっておきのリラックス法として大事にしているのが、テラスの庭造りです。私、家を探す時の第一条件はテラスがあるかどうか、なんですよ。花や緑は大好きで、私の生活の中に欠かせないもの。芦屋の実家で小さい頃、父が植物をいろいろ育てていたのでその影響でしょうか。
いまのテラスは結構広いです。作りつけの大きな花壇があるのが気に入って、ここに決めました。木だけで一五本くらい。一番のお気に入りはバラの木です。アイスバーグという品種ですが、二年ですごく大きく育ってくれて壁全体にツルが広がりました。5~6月にかけてワーッと咲きます。
植え替えの作業は泥だらけになってします。結構、力あるんです。ブルーベリーの実やミントの葉はキッチンで使ってみたり、花が咲いたらお部屋に飾ったり。
いま二度咲きで秋バラが咲いています。5月と比べると少しですけどね。世話した花を眺めながら、お気に入りのイスに座ってボーッとする。仕事が不規則なので、夜だったり朝だったり昼だったり、時間はいろいろ。昼間はコーヒーを片手に本を読んだり雲の流れを見ていたり、深夜には星や月を眺めたり…。寒いのにコートを着て星空を見ていることもあります(笑)。一時間なんてあっという間、その庭にいる時が一番好きな時間なんですね。
‐‐日曜日の朝、『特捜戦隊デカレンジャー』では、闘うヒーローたちをメカニックとして温かく見守るお姉さん的役所、白鳥スワンを演じていますね。
特撮ヒーロー番組への出演依頼をいただいた時は驚きました。
デカベース(戦隊の基地)を動かす女性役といわれても、私自身メカに全く弱くて、携帯電話もロクに使えないくらい(笑)。
でもね、「スワンはとても優しくて強い女性ですよ」っていわれまして。それ、私の憧れなんです。優しいって何だろうっていつも考えていました。ただ相手を甘やかすことではないだろうし。本当に優しい人になるためには、強くなくては…と、ちょうどそんなことを考えていた時だったんです。もしかしてそういうイメージが私にあってお話下さったのかな…と、とっても嬉しくなりました。
私は憧れているのに、そういう風にとって下さる人もいる。だから頑張って演じてるんですよ。強いというのはどういうことなんでしょうね。厳しいということもあるでしょう。心が大きくて、人を受け入れられるということもあるでしょうし…。柔軟性があることです。
別々に撮影されたものやCGが合成されて、作品は完成します。だから実際に放送を見るまでどういう風に仕上がるか分からないんです。ストーリーは知っていても、あの場面がこういう形になるの? とびっくりすることもあります。
ライブで若い女性が歌を聴きに来てくれて嬉しくなったお話をしましたが、この番組ではもっとすごいですよ。
五歳くらいの男の子から、スワンあてにラブレターをもらいました。全部ひらがなで書かれていたので、私もひらがなだけでお返事を書きました。ひらがなだけで手紙を書くって、結構大変でしたね(笑)。
‐‐いつもほんわりとした笑顔でいられる秘訣はあるのでしょうか。
どうなんでしょう。まあ、楽天家ですね。あんまりくよくよ悩まず、何でもいい風に取るというのはあります。でも笑顔でいるといいことがついてくる、という風に考えています。そう、大好きな面白い言葉があるんです。
「喜べば、喜び神が喜んで、喜び連れて、喜びにくる」。まず喜べば、いいことが寄ってくるというのはあると思います。
でも一方で、あまり無理することもないし、揺れるときは揺れていたいとも思います。泣きたい時には泣き、笑いたい時には笑う。なるべく心に沿う感情でいたいな。それで喜ぶこと、楽しいことは特に思い切り表現できる自分でいたいです。
好きなことを仕事にしていられる幸せがあります。その上で喜んでもらえる幸せもあって。こんないい仕事はないなーと思っているんですよ。自分が楽しんで相手も喜んで、私も笑顔で相手も笑顔、というのがいいですね。
●プロフィル
いしの・まこ 1961年、兵庫県生まれ。77年、日本テレビ系『スター誕生』で合格し、78年『狼なんか怖くない』で歌手デビュー。その年の日本歌謡大賞、放送音楽新人賞、日本レコード大賞・新人賞、ゴールデンアロー賞・新人賞など。81年引退するも、2年後復帰。以後、テレビドラマ、舞台へと活動範囲を広げた。03年から音楽活動も再開。
12月17日に、キリスト品川教会グローリアチャペルでコンサートをします。ぜひ、遊びに来て下さいね(問い合わせ キャピタルビレッジ 電話03・3478・9999 石野真子オフィシャルホームページ http://www.aceofhearts.jp/)