薬食同源…五味は五臓を養う お酒を飲む人は「酸」のものを

2004.12.10 113号 2面

「五味五色」の元となっている「五行説」は、宇宙の森羅万象、自然界の営みを動かしている「木・火・土・金・水(もくかどごんすい)」の五つのカテゴリーに分類したものです。

これに基づいて、すべての食材も五つのカテゴリーに分類されます。また身体を構成する五臓もこの法則で分類されます。だから「自分はどうもこの部分が弱いな」とか、「家系的にも病気になりがちだな」という個所があれば、そこに充当する食材を積極的に日常からとっていけば、健康管理にとても役立つわけです。

例えば冬になると膀胱炎になりやすい人は腎機能が弱いので、「鹹(かん)」・「黒」の食品をとるよう心がけます。不整脈をよく起こす心配があるのだったら「苦」・「赤」ですね。肝数値が良くない、肝臓の中に脂肪がたまっている、お酒をよく飲むなどの場合は「酸」・「青」のものを。よく風邪をひく、タバコを吸う習慣がある場合は「辛」・「白」。食欲がない、元気不足なら「甘」・「黄」を。

中国のお母さんは子供に対して、「よく風邪をひく子」「アレルギーがある子」であるか、「あまり食べない子」かを気をつけて、それぞれ「白」か「黄」の食べ物を勧めます。大人になるとホルモンのバランスを崩して「脾」「腎」を患う人が多いので「黄」「黒」を。いつもダイエットを気にしている日本人の若い女性は「脾」で「黄」ですね。

五行は感情にもかかわります。怒りやすい人は「肝」で「酸」、不安感が強い人は「心」で「苦」、思い込む人は「脾」で「甘」、悲しい人は「肺」で「辛」、心配性な人は「腎」で「鹹」、日本人はクヨクヨと思い込む人が多いのではないでしょうか。「脾」に相当するので、「甘」ですね。

五行は人それぞれの体質にもあてはまりますが、季節にもあてはまります。春夏秋冬、その季節の環境にいるとどんな人でも、その体質の傾向に傾くものです。だから通常の自分の体質で必要なものに、その季節に取った方がいいものをプラスするのです。日本は大概の地域で四季がハッキリしているので、積極的にこれを活用してほしいですね。

これからの冬は「鹹」の季節です。その後の春は活発に活動する季節で「酸」。夏(日本の梅雨時にあたる)は湿気が多く「苦」。「長夏」(日本では本当の盛夏)は水分調整が必要で「甘」。秋は乾燥の季節で「辛」です。

五色の色に関しては、黒・白などは比較的そのままですが、パッと見て必ずしもその色をしておらず、皮をむいた可食部や加工前、生育期の色を指すケースもあります。色を目安にして分かりやすい物から始め、次第に自分に必要な物をグループとして覚えていきましょう。

病のもとは五臓の乱れにあります。「肝」「心」「脾」「肺」「腎」を食で養っていくことは大切ですが、漢方薬を活用する手もあります。それぞれには右下の漢方薬が対応しています。

(中医師・何暁霞(ふうしょうしゃ)さん)

★「肺」にかかわるのは…

結核・喘息・気管支炎・扁桃腺炎・鼻炎・花粉症・ちくのう症・風邪・皮膚病・痔

「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」

★「肝」にかかわるのは…

肝臓病・肝のう炎・不眠症・婦人病(子宮病)・皮膚病・眼のトラブル・精神疾患・筋肉の痙攣・自律神経失調症・更年期障害

「星火逍遙丸(せいかしょうようがん)」

★「脾」にかかわるのは…

貧血・胃腸病・脱肛・低血圧・糖尿病・口内炎・出血性疾患・リウマチ

「星火健胃錠(せいかけんいじょう)」

★「心」にかかわるのは…

高血圧・動脈硬化・脳卒中・血管梗塞・血栓病・狭心症・不整脈・不眠症・痴呆

「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」

★「腎」にかかわるのは…

腎臓病・膀胱炎・インポテンツ・前立腺肥大・糖尿病・痛風・高血圧・冷え性・腰痛・神経痛・リウマチ・痴呆・脱毛・白髪・更年期障害・難聴・耳鳴り・骨粗鬆症

「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」

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