だから素敵! あの人のヘルシートーク:漫画家・エッセイスト・さかもと未明さん
執筆業とコメンテーターなどのタレント活動。両極端な日常を支える美容・健康法を新刊『さかもと未明の美人革命』に表したさかもとさん。キーワードは“地味ライフ”にあるそうで…。
日刊紙が1本、週刊誌が1本、月刊誌は5~6本、書き下ろしもあるので毎日が締め切りです。自由業は不自由業(笑)、だから健康管理は不可欠なテーマなんです。
それでもこの新著で断言してしまっているのですが、私、自分の世界にこもって漫画を読んでいた陰気な思春期の頃よりも、40歳のいまの方がずっといい女だと思います(笑)。20代前半の短いOL時代は、ストレスフルでひどい肌だったし、女性の美しさは若さだけではない、どういう生活や考え方をしているかによると自分の体験から思います。
お出かけスタイルが派手なので意外と思われるかもしれませんが、私の日常はとっても“地味ライフ”。正しく寝て正しく食べて正しく出す、が基本です。
まず「睡眠」。脳は睡眠中にお肌にいいホルモンを分泌します。特に私は夜に原稿仕事をする時間割なので、その分多くの睡眠を規則正しくとるようにしています。次にできるだけ「素顔で過ごす」こと。雑誌の撮影やテレビの収録などがない限り、まずはお化粧しません。日焼けを防ぐクリームを塗ってアイブローとアイライン、マスカラとリップくらい。お化粧をした日は洗顔には念を入れます。
それから「食は命なり」。小さい頃、おばあちゃん子だったので、質素だけど本当のものに接する機会がありました。これは私の一番の財産。自分が作る時、外食や中食を利用する時、両方に生きていますね。最後に「エクササイズ」はヨガとジョギング。ムリはしないけど、ヨガは20年来の習慣。ジョギングは前に仕事場を見に来た編集者さんには「それ、ジョギングのフリですよね」と言われたくらいだけど、仕事が終わった明け方、トレーニングウエアに着替えてほんの15分、距離にして2キロくらい。でもアスリートではないのだから、楽しんで続けられることがまず第一です。
23歳で漫画家デビュー。その後離婚があって28歳の時、もう一度結婚を考える機会がありました。結局、漫画を選んで一人になったんだけど、先のことが不安になって。タレント業へのお誘いもあったけど、まだ漫画も確立していないのに消費されてしまうのではないかと。そこで何人かの人に占ってもらったら、頑張っていれば38歳くらいで新しい世界が広がってスポットライトを浴びる機会があると、みんなに言われました。
私はそれを目標にして10年頑張りました。その時衒(てら)いなくできるように、体形も維持しよう、メークの仕方も勉強しよう。何よりベースになる漫画でちゃんと実績を作ろうと。凝り性ですから、自分に対して目標を設定するのが好きなんです。
新しいことを始める時は何か捨てるか、自分に余力ができる時期を待つかだと思います。お金も時間も人生有限だから。やりくりする気力を維持できる範囲にしなくては。現実に38歳で縁あって今の事務所に入り、グラビアのお仕事などもすることになりました。いまは漫画もしっかり描くけれど、自己表現もしたい。できるところにきました。待っているうちにキャパシティが広がったんですね。
次の目標は48歳くらいでこういうアーティストとしての自分というイメージがあります。そのためにいまお芝居や歌のレッスンを始めました。
◆プロフィル
さかもと・みめい 1965年、神奈川県生まれ。商社のOLを経て、レディースコミック界にデビュー。わずか数年でトップに上りつめ、「レディースコミック界の女王」と呼ばれる。その後はギリシャ神話など歴史漫画やエッセー・体験ルポなど活動範囲を広げる。著書は『突撃!自衛隊』(新潮社)など多数。