月刊・漢方美人:顔が青白いと言われます

2006.02.10 127号 8面

Q.最近、「顔色が青白いね」とよく言われます。貧血なのではと心配されますが…。(20代女性)

A.極度の冷え、血虚(血の栄養不足)、肝の不調が主な原因です。

「青白い顔色=貧血」という見方が一般的ですが、まだまだ寒いこの時期は、健康な人でも顔色がすぐれないもの。ただ、指摘されるほどならば、中医学的には三つの原因が考えられます。

●冷え過ぎが原因

まず考えられる原因は「血寒」(身体の芯まで冷え切っている状態)です。「血は温めることを喜び、寒を嫌う」ため、冷え切った体内では血が動かず、血行不良を起こしているのです。手足の冷え、繰り返し風邪を引くといった症状もあるはず。

原因は、何と言っても身体を冷やし過ぎたこと。真冬に薄着をしたり、素足にブーツは厳禁です。

身体を温めると同時に、血を温めること(温血)が必要。羊の肉、紅茶、ほうじ茶がお薦めです。

●血の栄養不足

二つ目の原因は「血虚」。乱れた食生活や無理なダイエットなどで、血の栄養が不足している状態です。フラつきや皮膚のカサつき、疲れやすいといった症状も伴いがち。月経の量が少なく、ひどくなると無月経になることもしばしば。

とにかく血を補う(補血)ことが肝要です。なつめ、レバー、ほうれん草などを取り入れた料理や、当帰などの生薬がおすすめです。

●ストレスも原因に

三つ目は「肝の不調」。不調といっても、肝に何かが足りないわけではありません。中医学では春が近づくと肝の気が盛んになると考えます。そうすると、脾(消化器官)の働きが抑えられ、食事からの栄養をうまく取り込めないのです。

寝ても寝ても疲れが取れない、ついついイライラしてしまう、といった症状を伴います。

原因はストレス。肝はストレスに弱いのです。ストレス発散が第一の対策。我慢のし過ぎは身体に毒です。肝のケアには、陳皮、クコ、菊の花がいいでしょう。

◆シノアカフェ 陳皮ワイン

柑橘系のさわやかな香りがたまらない、彩りが とても美しい薬膳ワイン。気血の巡りが良くなります。

<材料(1人分)>

白ワイン……………適量

陳皮…………………1かけ

<作り方>

(1)陳皮を細く切り、グラスに入れる。

(2)(1)に白ワインを注ぎ入れる。

『お部屋で「薬膳カフェ」』(七沢なおみ著・祥伝社)から

◆オススメは『婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)』+『田七人参茶』

『婦宝当帰膠』の主成分・当帰には、血液を補いながら血を温める効果もあります。肝のケアには『田七人参茶』がおすすめ。体も温まります。

◆東洋エクササイズ 顔が青白い=血虚

血虚が原因の人には血液を補う血海(ひざの内側から6cm上)。

太衝(足の甲、親指と人差し指の骨の分かれ目の所。つけ根)。

ともに9回押して1クールを3回。女性の場合は右脚が先、次に左(男性は逆)。

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