ザ・ニッポン地方発 東北新発見アロエベラ畑(岩手県・川崎村)とメニュー
夏が終わるとりんごの焼菓子を待つお客さまのために、毎年酸味のあるりんご探しをする。今年は友人の紹介で紅玉に似た香りのある「さんさ」を求めて、岩手県東磐井郡川崎村を訪ねた。
近くには樹齢一〇〇〇年の元気な松の公園がある川崎村の菅原さんに案内されて、「さんさ」「津軽」「千秋」のりんご園を歩く。なるほど「さんさ」は赤く小粒で、固く香りがよい。これで作ったジュースはおいしく、思わずおかわりしてしまった。今度はそのジュースの中に、アロエ汁を加えたものをすすめられた。
ここで突然、りんご農家だと思っていた菅原さん夫妻から、「この頃はアロエも栽培しているんですよ」という話をうかがう。菅原夫妻だけでなく、りんごとアロエの併産がここのところこの辺りの農家に定着したスタイルだそうだ。
一mもあるアロエベラがキダチアロエと違うのは、果肉が苦くないこと。酢醤油でいただいたが、何ともいえない旨さがある。薬用植物の代表で「医者いらず」と呼ばれているアロエは食用としていろいろな料理方があるが、どれも珍しくて健康に良い。「無農薬で作っているので冬の寒さの時は手がかかるが、身体によい新農産物を作る作業は面白いよ」と菅原のおじいさん。長いアロエを折って、おみやげにくださった。アトピーの子供たちへジュースに混ぜてメニューに加えることにした。りんご狩り、アロエ畑見物の人がいたらいつでもご紹介します。
(自然食料理人・田村匡世)
◆…アロエの刺身(4人前)…◆
◇材料=アロエベラ300g、山葵適量、すずき200g、三つ葉少々、レモン1/2個
◇作り方=(1)すずきは薄く刺身用に切る(2)アロエは長さ6センチメートルの輪切りにして皮をむいて薄く切る(皮つきで使ってもよい)(3)山葵は下す(4)三つ葉を洗って切って皿に敷く(5)すずきを並べ上にアロエを並べ、レモンを絞って、山葵を添える。
◆…アロエ酒…◆
◇材料=アロエ500g、ホワイトリカー1リットル、レモン3~4個、はちみつ300g
◇作り方=(1)アロエはよく洗い5センチメートルの大きさに切る(2)レモンは皮をむき輪切りにする(3)広口びんにアロエ、レモン、はちみつを入れ、ホワイトリカーを入れて密封し、冷暗所におく(4)1ヵ月後アロエとレモンをとり出して氷でロックか、水かお湯または炭酸で割って飲む。氷砂糖より、はちみつの方が薬効がある。