だから素敵!あの人のヘルシートーク:フェイシャルセラピスト・かづきれいこさん
テレビや雑誌でおなじみのかづきれいこさん。選ばれたモデルでなく、一般の女性を明るく元気にするのがモットーという。新刊から、ノウハウを教えていただこう。
自分の顔を好きになれないと、つらくなる。
“リハビリメイク”というのは、私が作った言葉です。そもそもは、けがや病気などで外観が変化した人たちが、自分の外観を受け入れ、精神的にも元気に社会復帰できるように…という願いを込めて名付けました。ただ単に、アザや傷などをカバーするテクニックを身につけるだけでなく、メイクの力で見た目はもちろん、心まで元気になれるということを知ってほしいと思ったのです。
でもね、最近私は「30歳過ぎたら、誰でもリハビリメイクを!」と提唱してるんです。20代の時にケント紙だった肌が、40代になるとザラっとしたワラ半紙になる、この事実(笑)。そんなの全く気にしない! シワがある私の顔、私の人生最高! と思える人は、いいんですよ。生まれつきアザがあっても、本人が受け入れていて全く気にしていない。それは素敵です。けれど大概の女性は、そうしたことで気がめいったり、人生に自信がなくなったりする。その時、自信を回復するテクニックがあれば、変わってきます。
私がリハビリメイクを考案したのは、かつての自分自身がそういうものを切実に求めていたからです。生まれつきASD(心房中隔欠損症)という心臓の病気を患っていて。子供の頃、冬になると顔が真っ赤になってむくんでいました。春から夏は快活な明るい子でクラスの人気者、それが冬になると性格も暗くなって人が変わってしまう。「人は見かけじゃないよ」なんて言われても、なんの解決にもならなかった。幸い私は30歳の時、心臓に穴があいていることがわかり手術を受けて完治、それからメイクの勉強を始めました。
この前、「顔に自信がなくなって、もう歳かなあ。勤めている保育園をやめようかな…」という女性をメイクしたんです。そしたら変貌ぶりに感激して「私、まだ仕事やれると思いました!」と。うれしかったですね。
よく「リハビリメイクを始めたら運が良くなりました」と言われるんですが、人は元気になると誰かに会いたい、オシャレしたい、と自然に思うようになります。積極的になって、自分から行動を起こせば、いいことにめぐりあうチャンスも増えます。
私が目指す顔は、ずっと一貫して“元気な”顔。鏡の中の元気な顔は、自分自身の心を元気にする。それを目にする周りの人まで元気にしますよ。
◆プロフィル
かづき・れいこ 大阪生まれ。フェイシャルセラピスト、歯学博士、REIKO KAZKI主宰。医療機関と連携し、傷ややけど痕のカバーや、それに伴う精神のケアを行う。2000年から新潟大学歯学部非常勤講師。
◆かづきれいこさん金言集
・肌がきれいというのは血管がきれいということ。血管に頼るのが正解。メイクも血管がきれいになるようにする。
・元気に見えるには「目の輝き」が大事。血流マッサージ、ファンデーションで作る肌の色との対比、それを見る自分の気持ち。これで目の輝きが変わります!
・働く女性、多忙な主婦のメイクは15分! 自分を元気に見せるピンポイントで徹底してやる。フルメイクでメイクダウンしてはいけません。
◆基本の血流マッサージ
メイクの前に血流マッサージをして、肌そのものを若々しくするのがかづきさんメイクの大きな特徴。首から上の血管には血液の逆流を防ぐ弁がほとんどないため、血液が逆流して滞りやすく、くすみやむくみの原因になる。滞った静脈血を心臓に戻すよう、顔を上から下へマッサージすることで、血液やリンパの流れが改善する。
(1)スポンジの先端を目尻に当て、目のまわりをぐるりと1周させてから耳の下まですべり下ろす。
(2)耳の下からあごの先に向けて、フェイスラインに沿ってスポンジをすべらせる。1と2を何度か繰り返す。反対側も同様に行う。
○マッサージのポイント
(1)皮膚が薄い目の周囲はやさしくていねいに。目の下の皮膚がたるまないように、反対の指でこめかみ部分を引き上げて行う。
(2)耳の下からあご先までは気持ちのいい程度にスポンジをすべらせる。スポンジがフェイスラインの骨にかかるように輪郭をなぞって。
◆ほうれい線を目立たなくする
小鼻の横から口の両脇にかけてできる「ほうれい線」は、加齢で頬の肉がたるんでくるとともにくっきりしてきます。このマッサージをすることで目立たなくなります。
○スポンジの動かしかた
血流マッサージの(1)(2)を行った後、頬の一番高いところから、ほうれい線を回り込むようにしてあごの先までスポンジを動かします。