クオリティ・オブ・ライフ応援委員会 “過剰包装”を考える
商品に最低限必要な包装ってなんだろう。これほどゴミが騒がれても、いっこうに改まらない過剰包装。「贈答品のスリム化」のためにも、まず過剰包装をなくすことが大切だ。
「今回の過剰包装大賞は『クッキーの九重包装』に決定! …お歳暮でもらったお菓子。紙やらビニールやらをむいてむいて、やっと出てきたのはクッキーがたった六枚きり。あっという間に食べつくし、あとに残るはゴミの山でした」。
“こんな容器・包装みつけました”報告会からの最新報告だ。包装材ウオッチングクラブの事務局には、全国の仲間から、町で見つけた過剰包装のイラストが届く。
逆に、お勧め包装の報告も。「農協の贈答品の箱にはハガキが印刷されていて、切り取ってハガキとしてもう一度使えます」「××クリーニング店では、きれいなハンガーを10本五〇円で回収している」など。
同クラブではこれらの情報をまとめ、直接メーカーに正しい包装のあり方を訴えるハガキ作戦を実行中。また、容器包装リサイクル法を超えるような仕組みを実現できるよう、業界や自治体に働きかけている。
贈答品の付加価値部分の値段は、そのほとんどが包装紙代であるともいわれている。有名デパートの包装紙を印刷している会社では「包装紙は金券扱い。傷や汚れなど品質のチェックとともに枚数管理も厳しく行っている」という。
一方パッケージデザイナーは「包装紙は見栄えが大切。美しく仕上げるため、光沢のある紙など、再生できない素材を使うケースが多い」と話す。また、再生紙は普通紙に比べ値段が高いことも多く、印刷コストへの影響も大きい。「中身はおいしく満足でも、過剰包装を見るとメーカーの環境配慮への点でイメージがダウンする。リサイクルも岐路に立ついま、二一世紀を見据えたモノづくりへの転換を望みます」と同クラブの若宮静江さん。
贈答品の過剰包装を減らすためには、「過剰包装のものは買わない、いらないと店に言う」「包装は店で回収してもらう」「商品に容器包装コストを明示する」「包装代を別建てで有料にする」「外箱などをなくしてその分安く」「高級包材は企画を統一、デポジットをつけて再使用する」などの意見が寄せられた。
過剰包装は大手メーカーだけでなく、地元の中小メーカーにも多い。規制する側も、どこを攻めてよいかわからないのが実情、こうした市民活動の効果が期待される。消費者の意識改革も大切だ。見栄を捨て、お中元・お歳暮の習慣をなるべくなくす。「幼児期からのゴミ教育も必要です」と若宮さん。ゴミの減量化は人まかせでは進まない。
▽包装材ウオッチングクラブ・若宮静江さん〒254 横浜市泉区和泉町六二〇五‐二五‐五〇一