塩の役割を再確認しよう 自然塩のいろいろ

1995.11.10 2号 5面

塩の主成分は塩化ナトリウムで体内ではカリウムと拮抗的に働き水分代謝に重要な役割を果たす。

また、マグネシウム、カルシウムはともに体内で浸透圧を適度に維持する働きをしている。ナトリウムと塩素以外の物質は総称して夾雑物、俗にニガリと呼ばれるもので、植物性、動物性いずれの蛋白質とも結合し無害化する働きがある。

このように塩は人体に欠くことができない重要な作用があり、また、ナトリウムを始めとしたすべてのミネラルは、新陳代謝作用により体外に排出されるので適宜食物として補充しなければならない人間に必要な食品である。

だが、近年は減塩が叫ばれ、塩の持つイメージは、必ずしもよくないといえよう。

日本たばこ産業(JT)の専売塩は、昭和46年に塩専売法によって塩田が廃止された結果生まれた、イオン交換法と呼ばれる製法でつくられる塩と原塩を輸入して精製した塩があるが、民間でも専売塩を購入し、ニガリを添加したり、たきなおすなどして加工した塩を自然塩として販売している。とくにニガリの成分に工夫がみられるようだ。

この自然塩は健康食品コーナーに置かれていることも多いようだが、どんなものがあるのだろうか。

家庭でも料理用としてよく使われ有名な「赤穂の天塩」は中国産の原塩を用いニガリがたくさん含まれていて好評のようだ。活性化したアルカリイオン水に天塩を溶かしこんだ「水塩」も販売している。

伯方塩業の「伯方の塩」はミネラルをバランスよく含んだ自然の風味、という。

日本食用塩研究会の「海の精」は法律上、例外的な許可を得てつくられ販売している自然海塩で体液や血液とよく似た海水のエキスが凝縮されているのが特徴だという。

波動法製造はとくに変った品名の塩を製造している。水道水に入れると瞬時に塩素などを消してしまうという「酵素塩」、カルシウムを五〇%含んでいるという「カルシウム塩」、海水の酵素と海藻の酵素を増やし、ミネラル類を活性化させたという「極楽塩」などを販売している。

ほかに梅丹本舗の「天日塩」、オーストラリアとメキシコ産原塩を昔ながらの製法でつくったというあらしおの「あらしお」、沖縄で昔風に平釜で薪を燃料にしてつくったというシママース本舗の「海の華」などがある。

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