食品業界新語 「HMR」ってなんだ?
「家庭回帰」とはいえども伝統的家庭の時代が来ることはあり得ないという。新しい家庭回帰に対応してアメリカでは「HMR」という言葉が聞かれるようになった。正式には「Home Meal Replacement(ホーム・ミール・リプレイスメント)」。直訳すると「家庭料理に代わるもの」ということだが、その発端は米国のスーパーマーケットの新しい販売方法「ミールソリューション」=「食事の解決策、食事対応」という考えの一部に位置する。
すぐに食べられる調理済み食品の販売に力を入れ、商品の陳列方法、販売方法など従来のスーパーマーケットとは違うレストラン的要素を多分に取り入れたことが消費者ニーズをとらえ注目を浴びている。さらに「食に関する相談コーナー」を設置している場合もある。料理と栄養の専門家が食材の取り合わせから食卓の彩りまで相談に応じてくれる。
すぐに食べられる調理済み食品、その最先端はスーパーに専門のシェフがいて、客の選んだ新鮮な下調理品を客の注文通りに調理してくれる。目の前で料理されたものは即出来立て、イコール新鮮という図式が成り立つ。対面販売の前にはその料理に合うワインや冷たいビールも販売され、家で盛りつければ「これでOK、さぁ!楽しい食事タイム」となるわけだ。
しかしいくら簡単便利といえども一事が万事、「HMR」の料理品などはあり得ない。食事を作る時間がない時、また作る時間よりも食事を楽しむ時間を大切にしたい時など、外食という方法以外に「HMR」という選択肢が増えたということだろう。