飽食の裏側=食の再点検 「甘味料」(1)甘いのに砂糖なし
チョコレートなのに、砂糖はゼロ、甘い飲料なのに砂糖不使用。これは最近大人気の食品添加物「トレハロース」や「ステビア」や「キシリトール」などがなせるワザ。これら砂糖に代わる甘味料が我々の食卓に想像以上に入り込んでいるようだ。どんなモノなのか検証してみよう。
まずはトレハロース。甘みが特徴なだけあって、砂糖や麦芽糖と同じ糖質の仲間だ。キノコ類やパン酵母、海草やエビをはじめ自然界の動植物や微生物の中に多く含まれている。タンパク質の凍結や乾燥による変性と、デンプンの変性を防ぐといった性質も持っている。また、砂漠には乾燥して何年も死んだような状態になっていても一摘の水で生き返る植物や小動物がいるという。この復活現象の鍵を握るのもトレハロースだという。こういった生き物の細胞には多量のトレハロースが含まれていて水に代わる役割を果たすそうだ。
ではもう一つ、虫歯予防にもなるということからガムに多く使われているキシリトール。これは樹木や果物、野菜の中に含まれる甘味料。白樺やコーンの芯などから摂取するキシラン・ヘミセルロースを原料として生産されている。糖アルコールの中でも最も砂糖に近い甘味度を持ちながらカロリーは砂糖の約七五%、さらにう蝕抑制効果があることで世界的には注目度が高い素材である。
いまやこれら甘味料は我々の食生活に想像以上に入り込んでいる。次回は実際にどんな食品で使用されているのか検証してみよう。