「茶寿」お茶は不老長寿の仙薬とか こんなにあるお茶の効能

1996.01.10 4号 2面

お茶は不老長寿の仙薬と伝えられている通り、その昔薬草と考えられていた。最近ではお茶の成分(カテキン類)に成人病予防効果があるとする研究結果が発表され注目を浴びている。

昨年12月10日から15日まで浜松で行なわれた「食品因子の化学とがん予防」国際会議でも「お茶」の健康への効果についての発表が行なわれ、お茶の薬理作用が再確認されつつある。「一服する」とはお茶やたばこを楽しみながら一休みすること。お茶の旨さを味わいながら、さあ一服、いっぷく。

お茶の渋味であるタンニン類(カテキン類)には抗がん作用のあることが最近注目されている。胃がんをはじめ各種がんの抗突然変異、抗発がんプロモーションなどの抗がん作用についての研究が進み明らかになりつつある。

一九八六年から九〇年までの五年間にわたり埼玉県立ガンセンター(今井一枝氏・菅謙司氏・中地敬氏の研究グループ)の研究によるとお茶を一日一〇杯以上飲むことでガンによる死亡年齢が遅くなると発表された。一日にお茶を一〇杯以上飲む人は一日三杯以下の人に比べ男性で四・五歳、女性で六・五歳も遅くなるという。お茶の産地として有名な静岡県についても元静岡島田保健所平出所長は、静岡県内の胃がん死亡率の調査を一九七三年から七七年の五年間にわたり行った。ここでも同様にお茶を生産し、よく飲む地域の胃がん死亡率は全国平均の五分の一以下だったという。

「むちゃ」という言葉がある。借字で「無茶」と書くが、無茶してはいけない。そう、茶が無いことはいけない。成人病予防のためにも無茶せず茶をたくさん飲もう。

お茶の成分のカテキンには殺菌作用がある。太陽化学総合研究所の実験により薄い濃度のカテキン溶液でも虫歯菌の増殖を抑える効果が認められたという。食後の緑茶は口をさっぱりしてくれるだけでなく、虫歯の予防にも効果がある。

また最近人気の「フラボノイド入リチューインガム」は口臭予防効果が高いといわれる。「フラボノイド」とはカテキンのこと。お茶の消臭効果により口臭予防にもなる。

暮らしに役立つお茶利用術

▽古くなった茶葉や茶ガラを冷蔵庫やシューズボックスに入れると脱臭剤として活躍▽茶ガラをまな板の上に敷いておくだけですっきり殺菌。▽寿司屋ではお茶がつきもの。これは生鮮魚貝類の消臭と食中毒の予防のため。また、違うネタを食べる前にお茶で一度口中を洗浄するため、ともいわれる。

緑茶や紅茶、コーヒーに含まれる「カフェイン」には幅広い薬理的作用が認められている。(1)心臓を強くする働きがあり、狭心症の治療にも有効。(2)眠気を覚まし脳の働きを高める。(3)腎臓の血行を良くし、利尿を促進する。(4)胃液の分泌を増大させ消化促進を助ける。(5)疲労を減少させ、作業能力を高めるなど、「百薬の長」たるカフェインだが身体に良くないと思われがち。過度の摂取には気をつけるべきであるが、緑茶に含まれている「テアニン」という成分がカフェインの副作用を緩和する働きがある。緑茶を飲んで気分をリフレッシュし仕事の能率を高めよう。

お茶に含まれるカフェインの作用によりダイエット効果があるという。お茶を飲んでから運動すると脂肪がエネルギー源として優先的に利用されることにある。人間は身体を動かす時エネルギー源として脂肪ばかりでなくグリコーゲンが使われる。グリコーゲンは筋肉中や肝臓に蓄えられていて激しい運動や短時間の運動では主にこのグリコーゲンが消費される。脂肪をエネルギーとして燃焼させるにはお茶を一杯飲んでから運動するか最低三〇分以上の運動が必要ということだ。

またカフェインは利尿作用があり、タンニンには腸内調整作用があるので便通効果がある。肥満の予防にもお茶を一杯。

◆お茶の身上書

▽出身地・中国雲南省

▽生年月日・不明(漢文化以前らしい)

▽所属・ツバキ科

▽家族構成・紅茶・ウーロン茶・日本茶各種(それぞれ別の木と思われがちだが製法の違いによるもの。もとは同じ木である)

▽来日・一一九一年栄西禅師と共に来日(しかしそれ以前に遣唐使や留学僧と共に来日していたという説もある)