コーヒーと健康を科学する:胃ガン減少、おいしさはいれて30分

1999.02.10 41号 2面

酒・たばこ・コーヒー。この間までコーヒーは悪者の一味であった。「一日に何杯飲みますか?」医師の問診でも定番だ。しかし最近、様々な研究によって、コーヒーの効能が見直される傾向にある(表参照)。

コーヒーを毎日飲む人は、飲まない人に比べて胃ガンにかかる率が三分の二ほど低く、とくに一日に三杯以上飲む人では罹患率が約半分となっていることが、愛知県がんセンターの疫学調査でわかった。ただし、たばこを吸うと効果はなくなるという。

名古屋市に住む四〇歳~七〇歳までの男女二万一〇〇〇余人を、一一年にわたり追跡調査し、胃ガンにかかったかを確認したもの。その結果、コーヒーを飲む量が一日一杯未満の人たちでは、胃ガン患者は六二人に一人の割合、毎日二杯飲むグループでは八五人に一人、三杯以上だと一〇一人に一人であった。

「調査結果はしかし、コーヒー好きな人に特有の生活習慣(喫煙、洋食派など)が大きく影響しています」と同センター田島和雄部長。コーヒーを毎日飲んでも喫煙歴が一年以上ある人の場合、胃ガンにかかる率はどちらの習慣もない人と同程度。たばこを吸ってコーヒーを飲まない人は、両方の習慣のない人の二・二倍も胃ガンにかかりやすいという。

コーヒーは、「煎って一週間、挽いて三日、いれて三〇分」がおいしさの目安といわれる。コーヒーメーカーの保温プレートについ載せたままにしておくと、時間とともに劣化して有害なものになる。めいらく波動医科学総合研究所の行った「コーヒーのたておき後の波動数値変化」を見れば歴然(波動測定ではモノのもつ力を数値化し、健康に良いか悪いかなどが判断できる)。

コーヒー豆には約一五%もの油脂分が含まれており、しかもその油脂は非常に酸化しやすい。そこでコーヒーは、この酸化を防ぐ機能、すなわち自己防衛機能を備えている。

「コーヒーを焙煎するとガスを発生します。このガスこそ、酸化から身を守る機能なのです」(名古屋製酪㈱、日比孝吉社長)。発生するガスの量はとても多く、一〇グラムのコーヒーから約三〇ミリリットルも出る。そのため、焙煎してすぐに缶や袋に充填すると、封を開けた途端に粉が飛び散ったり破袋したりする。この解決策として、一部のコーヒー焙煎工場ではエージングというガス抜きが行われる。が、ガス抜きをしてしまえば自己防衛機能は低下し、同時にコーヒーの香りであるアロマも散逸してしまう。

このアロマこそ、コーヒーのおいしさを握る鍵であり、アメリカの研究では、香りの成分がガンを抑制する効果も認められている。さらに、コーヒーの抗酸化成分には、ガン予防の有用性さえ確認されている(詳細記事15面掲載)。

コーヒーは抽出したらすぐ飲むことが肝心。

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