フシギな話、骨ラーメンで足痛の83歳が元気に(北京発)

1999.12.10 51号 16面

「こんな話は信じられないかもしれないが‐‐」で始まる不思議な出来事が、今年6月、中国の『北京日報』で報道された。概要はこんな感じだ。

「骨に問題があり、かつては数歩歩くのも痛さをこらえるほどであった八三歳の老女が、数カ月間頑張って北京市内のある日本式ラーメン店に通いつめ『骨スープ麺』を食べ続けたところ、次第に休みもせずに一、二区間の駅の道のりを歩けるようになり、階段さえも人に支えられることなく一人で昇ることができるようになった。この女性は日頃から栄養や健康に関する資料を熱心に集めており、“足の痛みが柔らいだのはこのスープの中の成分の効果に違いない”と断言している」。

真偽のほどを確かめたいと百歳元気新聞編集部では10月、北京・王府井にあるこのラーメンチェーン『麺愛麺』の一店を訪れ、問題のスープについて詳しく話を聞いた。店の技術者によるとこの『麺愛麺』の骨スープは、山東省の泰山の麓にある天然調味料製造基地で作られたものを使用している。その日に屠殺した新鮮な豚・鶏の骨を砕き、これを現地の純粋な水と一対一の比率で合わせ、さらに各種の野菜と混ぜたものを高圧・高温で長時間蒸し煮し、専門の処理をして作り上げるという。この様にしてできた骨スープには、動物の骨髄の中にある栄養素がすべて抽出している、つまりコラーゲン・カルシウム・リンなどが豊富に含まれているそうだ。

特に注目すべきはタンパク質の一種、コラーゲンだ。構造タンパク質と呼ばれるコラーゲンは、人間の皮膚・骨髄・歯・軟骨・腱・血管などに分布されており、細胞と細胞をくっつける役割をしている。血液中の各種栄養素が細胞に流れ着く時、経由するのもコラーゲンだ。建築物に例えると、細胞がレンガでコラーゲンがセメントとされる。セメントがなければ家は倒れてしまう、そのくらい重要なものだが、加齢とともにコラーゲンの合成能力は次第に低下し、それがシワの形成、骨粗しょう症、関節痛、腰痛、足の痛み、リュウマチなどの原因となる。

骨髄の中のコラーゲンがカルシウムと結びつくと硬い骨となる。しかし丈夫な骨の形成にはそれらの栄養吸収だけではダメで、適度な栄養と日光浴、ビタミンが必要だ。“事件”の主人公の足が、骨粗しょう症、関節痛などが相互に影響し痛んでいたと推測すれば、骨スープ麺の栄養素が功を奏したことは理にかなう。何より毎日これを食べるために、日の高い時間帯にゆっくり時間をかけて歩いて店にやってきたことが、物語のヘソになっている。『麺愛麺』の骨スープに関する問い合わせは、東京国際貿易(株) 03・3574・6961

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