おはしで防ぐ現代病:肥満は糖尿病やがんを招く、防止に有効な「ポンコランチ」

2002.02.10 78号 14面

冬太りが気になるこのごろ。肥満の人は普通の人に比べて心疾患が二倍、高血圧三・五倍、糖尿病は五倍の頻度で発病しやすいという。さらに大腸がん・前立腺がん・乳がん・卵巣がんなどの発生率も高くなる。肥満防止に有効といわれる天然素材に注目した。

約五〇〇〇年前からインドに伝えられている伝承医学「アーユルヴェーダ」には、『ポンコランチ』という植物が美食の極みを尽くしたマハラジャ(王侯貴族)のダイエット秘薬として重宝されてきた記録が残っている。

ポンコランチとは、インドやスリランカの熱帯地方に自生するニシシギ科のツル性植物で、学術名を「サラシア・オブロンガ」という。サラシア属はインドやスリランカでは古くから糖尿病の治療薬として使用されてきた。現地では糖尿病だけでなく、神経痛やリウマチの痛み軽減・浮腫を取り除く目的でも用いられてきた。

日本でサラシア属研究を継続している京都薬科大学の吉川雅之薬学博士のグループは研究の結果、地下部の根に多く含まれる活性成分「サラシノール」(特許取得)を発見した。血糖値の上昇を抑え、悪玉コレステロールや中性脂肪を抑制することも判明したという。

ポンコランチには、取り過ぎた糖質を排出し、体内に蓄積された脂肪分を燃焼させてエネルギーに変えていく働きがある。ごはんや麺類を食べたことによって生じたオリゴ糖が、腸の中でブドウ糖に分解されるのをストップして血液中に吸収されるのを抑制してくれるのだ。さらに、オリゴ糖の働きで腸のぜん動運動が盛んになり便秘の解消にも役立つ。

またポンコランチには血糖値の上昇を抑制する優れた効果も多く明らかになっている。

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