冬の病気じゃなかったの?夏の脳梗塞にご用心 身体を潤し血液をサラサラに

2003.07.10 95号 16面

「冬に多いと思われていた脳梗塞の発症は実は夏が一番多かった」。これまでの常識を打ち破る報告があった。その根本原因は身体の水分不足にあるが、実は水分をとるだけでは対策として不十分なのだ。

◆夏の飲料消費量アップにもかかわらず…

夏に脳梗塞が多いという調査結果は、今春の日本脳卒中学会において、国立循環器病センター内科脳血管部門の緒方俊安医師らにより発表された。

なぜ冬には脳出血が多く、夏には脳梗塞が増えるのか、その理由は左下表の通り。

夏に脳梗塞が増える根本的な理由は汗をかいて身体の水分が減少することにある。脱水症状を防ぐための予防法として「水分をとれ」というのはいまや常識。だからこそ、夏の飲料製品の消費量は毎年上昇しているわけだが、それにもかかわらず夏の脳梗塞は減っていない。

こうした傾向に、「水を大量に飲むだけでは身体全体に行きわたりません。かえって胃液や消化酵素を薄めて消化能力を低下させてしまうこともあります」と心配をしているのは中医師の董魏氏だ。

◆水を津液に替え、血液はサラサラに

「水や清涼飲料水を飲むと消化器で吸収して、さらに肺へ運び、これが全身に巡り、腎に戻って再利用されます。その間に、適度に汗や尿として排出される、そういう全体のシステムの中で水分が津液(有用な体液)として利用されなければ、身体が健康的に潤っているとは言えないのです」と董魏氏。

「汗が出る時には、『気』(生体エネルギー)も一緒に失っていますので補充しなければなりません。『気』の働きが落ちると、身体の代謝機能が低下します。また、水分を取り過ぎると、脾(消化機能)の働きが低下するので、脾の働きを助けることも考慮しなければなりません。それから、暑い夏は、体内の熱を血流の循環によって体表部へ運び発散させようとするため、心臓の活動も活発になり大きな負担が心臓にかかります。もちろん、高脂血症や糖尿病などで血液がネバネバしている恐れのある人は、余計に血液の巡りが悪くなってしまいます」(同)というように総合的にとらえるべきものなのだ。

◆脳梗塞予防だけでなく、アスリートにもおすすめの補気薬

『気』を補う漢方薬を『補気薬』という。心肺機能を高め体液を補給する作用がある定番処方が、朝鮮人参・麦門冬・五味子からなる『麦味参顆粒』。朝鮮人参は代謝作用を活性化する代表的な補気薬だ。五味子は水分を細胞に取り込む働きや、毛穴を引き締めて必要以上に水分や気を汗腺から漏れないように調整する働きがある。麦門冬は、水分を身体に取り込む働きに優れている。

ネバネバして流れにくくなった血液を、サラサラにして通りやすくする作用を持つ代表的な漢方薬がある。「活血化 (お)」、つまり血流改善の作用を持つ丹参を中心に組み立てられた『冠元顆粒』だ。

多量に汗をかいてぐったりしてしまうような時は、身体に元気をつけながら体液補給をする『麦味参顆粒』が最適。これに血液をサラサラにする『冠元顆粒』を併用すると、夏の脳梗塞対策に最高の組み合わせとなる。

ゴルフプレー中の突然死は年間三〇〇人といわれるので要注意。夏のゴルフやハイキングにも、大いに試してみる価値がある。

◇冬に多い脳卒中…脳出血、くも膜下出血

<理由>

寒い→熱を放散しないように体表部の末梢血管が収縮→血圧が高まる→脳の血管が破れやすくなる

◇夏に多い脳卒中…脳梗塞

<理由>

(1)暑くて発汗→血液がネバネバに→血液が流れにくくなる→末梢血管で詰まる

(2)暑い→熱を放散するように末梢血管が拡張→脳や心臓への血液供給が相対的に低下(一過性の虚血状態)→血圧が低下しやすい→血流速度が遅くなり血栓を作りやすい

(3)汗で津液と同時に『気(エネルギー)』を消耗→心臓の働きや水分の代謝機能が低下→血液がネバネバに

◆夏の脳梗塞予防5カ条

◎こまめに水分を補給しよう

胃腸に負担をかけないよう少しずつ

◎脾(消化機能)に負担をかけない

冷たいものの取り過ぎは消化力を低下

◎気を補う薬や食べ物を

漢方薬なら「麦味参顆粒」など、食品はうなぎなど

◎冷房は弱めに

冷え過ぎは急に血管を収縮させる

◎血液はサラサラに

血液ネバネバの高脂血症・高血圧・糖尿病の人は特に注意

◆夏の脳梗塞予防におすすめの2製品 麦味参顆粒 冠元顆粒

気を補い体液を増やす『麦味参顆粒』と血液をサラサラにする『冠元顆粒』の併用は、夏の脳梗塞予防の理想的な組み合わせ。

中国での処方名は「生脈散」。「脈を生じる」という名のごとく、気を補い、心臓にパワーをつける。同時に体液を増す作用があるので、夏場の飲料として繁用される。

血液をサラサラにする「丹参」を中心に6種類の生薬を組み合わせた代表的な活血化〓(お)薬。

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