漢方ダイアリー:潤い不足?カサカサ肌
●11月10日(火)
肌がカサカサする。クリームを塗っているのに乾燥するし、かゆくなるのはなぜ?
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◆秋は乾燥の季節
空気の乾燥した状態が続く秋は、皮膚から潤いが奪われやすく、カサカサやかゆみなど、肌トラブルが発生しやすくなります。
この季節は、保湿クリームなどで丁寧に肌の手入れをしても、気がつくと乾燥し、ときにはかゆみが発生することもあります。
秋は乾燥の季節。中医学でいうところの「燥(そう)」の季節で、自然界のあらゆるものから潤いが奪われていきます。乾燥によってダメージを受けやすいのは五臓でいう「肺」で、特に皮膚の健康と深いかかわりがあります。乾燥により肺が潤い不足になると、肌の乾燥症状が起きやすく、カサカサ肌になりやすくなります。
空気の乾燥、体内の水分不足、夏の日焼けの影響のほか、さらに、体内に潤いや栄養成分を運ぶ「血(けつ)」が不足することで、かゆみも発生しやすくなります。
この時季は、カサカサ肌やかゆみのほか、口や鼻の乾燥、空咳、尿量の減少、便秘気味などの症状も現れやすくなります。
◆季節の食材で潤い補給
秋は潤いを補い保つ食材が多く出回ります。
大根、レンコン、百合根、りんご、梨、はちみつなどを食事に積極的に取り入れましょう。大根と鶏の手羽の煮ものや、コラーゲンたっぷりの豚の皮つき肉を使ったスープなどもおすすめです。
かゆみを一時的に緩和する食材としては、しそやハッカ、菊の花、スイカズラの花などがよいでしょう。
◆「肺」を潤わせ、「気」を補う
漢方薬では、肺の潤いを補う作用を持つ生薬「麦門冬(ばくもんどう)」に、気を補い体力をつける朝鮮人参や潤いを守る五味子(ごみし)が加わった「生脈散(しょうみゃくさん)」(販売名『麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)』)、血(けつ)を補う当帰(とうき)のほか8種類の生薬が配合された『婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)』などがよく使われています。
入浴の際には、38度C程度のぬるめのお湯に、潤いを与える生薬成分配合の入浴剤などを加え、肌を保護しましょう。入浴後は、なるべく5分以内に、乾燥する部位を中心に、保湿クリームなどを丁寧に塗りましょう。
◇東洋エクササイズ:身体を潤すツボ
●血海(けっかい)……ヒザの皿の内側上から指2本分上
●三陰交(さんいんこう)……内くるぶしから指4本分上
体調を整え、身体を潤し血を補います。











