ヘルシートーク:イラストレーター・米澤よう子さん

2013.11.01 220号 05面

●『パリジェンヌ流 おしゃれライフいつもの世界が輝きはじめる36の方法』米澤よう子著

●『パリジェンヌ流 おしゃれライフいつもの世界が輝きはじめる36の方法』米澤よう子著

 パリジェンヌのおしゃれ術を、魅力あふれるかわいいイラストで紹介しているイラストレーター、米澤よう子さん。女性を中心に広く支持を受け、商品パッケージや広告、女性誌など多くの媒体で活躍されている米澤さんに、パリ流の食事やライフスタイルを楽しむ秘訣をお聞きしました。

 ◆衣・食・住のバランスを大切に本当に贅沢な料理の楽しみ方とは?

 パリといえば、洗練されたオシャレな街のイメージ。だからこそ、パリ流のエッセンスを日常に取り入れるには「いろいろ揃えなければ」「敷居が高い気がする」と肩ひじを張る方が多いように思います。私が2004年から5年ほどパリで生活する中で見えてきたパリジェンヌの暮らしは、頑張りすぎないこと。ファッションのために食事代を削るようなことはしませんし、何よりも衣・食・住のバランスを大切にしています。ライフスタイル全般において無理をしないからこそ、その姿がおしゃれで、内側から輝いて見えるのかもしれません。

 それと、パリジェンヌは何でもおいしそうに食べるんです。ある時、マダムたちが何かおいしそうに食べていたのですが、どう見ても普通のハムなんです。でも、マダムたちはハムを目で楽しんで、まず香りを楽しんで、そして味わいや食感を楽しんでいたから、本当においしかったのだと思います。もっと言えば、和食は「三角食べ」ですが、フレンチはコース料理が基本。軽い前菜から始まり、メインでタンパク質を取り、デザートで糖分を、カフェで苦みや酸味を味わいます。一皿ずつを楽しむ。そして食材を一つずつ味わうのです。

 五感をフルに使って味わうのは、日本人にもできることです。私も、それまでは「ツナをのせただけのサラダボウルに1500円も払うなんて」と思っていたのですが、ひと口目の味と、ドレッシングになじんできた頃の味とで違いがあることに気付いてからは、「五感で味わうことこそ贅沢な食べ方だ」と思うようになりました。

 ◆アール・ド・ヴィーヴルを楽しんで!食材別にストックすれば冷蔵庫もカラフル

 パリで手に入るお肉などは味が野性的なので、ハーブなどを多用していたのですが、日本の野菜や肉、魚はハーブを使わなくてもそのままで十分おいしいですよね。生産者さんの努力の賜物だと思います。

 私は野菜を「和食に合うもの」「フレンチっぽいもの」に分けて考えるのですが、和に属するのはきゅうりや大根、ピーマン、白菜など。にんじん、じゃがいも、いんげん、なす、ブロッコリーなどはフレンチでもよく使う食材です。にんじんやじゃがいも、いんげんはそれぞれ茹でたら、素材ごとにストックするのがパリ流。食材別に保存すると冷蔵庫内がカラフルになり、フランス人が言うところの“アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの中にある芸術)”も楽しめると思います。また、素材によって傷むスピードが違うので、分けて保存した方が無駄にせずに食べ切れるんです。レタスなどの葉物も、氷水にさらして水気を切って、キッチンペーパーを敷いたタッパーで保存すると長持ちしますよ。

 ◆フルーツ&生ハムは前菜におすすめ手に入る食材で丁寧な料理を楽しむ

 最近はフルーツを取る機会が減っているそうですが、私は夕食の前菜に使ったり、お肉とりんごを一緒にソテーしたりして毎日食べています。生ハムはフルーツと合うので、夏はメロンや桃、スイカ、秋は柿などと組み合わせて、バルサミコ酢をかけて前菜としていただくことが多いですね。フランスでも、柿は「KAKI」と呼ばれています。

 これから旬を迎えるブロッコリーでおすすめのレシピがあります。少しやわらかめに茹で、フォークでつぶしてキャビアのようになったブロッコリーをお皿に敷き、ソテーした魚をのせるんです。フレンチマスタードと合わせると、粒感が重なって味わい深くなるし、リゾットなどにアレンジもできますよ。

 フレンチには、卵ひとつ取ってもいろいろな調理法があります。きれいに目玉焼きをつくったり、モン・サン=ミッシェルで食べられるようなふわふわのオムレツにしたり、スクランブルエッグにしたり、メレンゲにしたり……。日本で手に入りにくいジロール茸やセップ茸などのきのこは、しめじやまいたけでも代用できます。フレンチに挑戦するからといって高級品を揃える必要はないし、日常で手に入る食材を、シンプルな調理法で丁寧に扱うことが、パリジェンヌが大事にしていることなんです。

 ぜひこの秋は、「無理をしない」「無駄にしない」パリジェンヌ達の知恵をヒントに、パリ流の暮らしを楽しんでみませんか?

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 ●プロフィール

 よねざわ・ようこ 東京都生まれ。グラフィックデザイナーとして広告制作会社に勤務後、1993年にイラストレーターとして独立。04年から08年まで、パリに拠点を移して活動。特にパリの高級百貨店ボン・マルシェでの個展は高い評価を得た。パリジェンヌのおしゃれ術を独自の視点で解説したイラストエッセイは幅広い支持を集めている。近著に『パリジェンヌ流おしゃれライフ──いつもの世界が輝きはじめる36の方法』(文藝春秋)、『パリジェンヌ流 着やせスタイリング』(幻冬舎)などがある。ホームページ http://www.paniette.com/

 ●『パリジェンヌ流 おしゃれライフいつもの世界が輝きはじめる36の方法』米澤よう子著

 発行:文藝春秋定価1,260円(税込)

 ファッションをはじめ、インテリアや食習慣などパリジェンヌならではの“ おしゃれ術” を、かわいいイラストで綴ったライフスタイル本。五感に正直に、暮らしを丁寧に楽しむパリジェンヌたちから学ぶ、毎日を素敵に輝かせるヒントが満載です。

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