ヘルシートーク:フリーアナウンサー・堤信子さん
「ズームインスーパー」や「はなまるマーケット」など、“朝の顔”として長年レギュラーを務めてこられたフリーアナウンサーの堤信子さん。実は、文具愛好者としての一面も。このほど、文具と雑貨を巡るパリ本の第二弾を上梓された堤さんに、パリや文具のこと、そして好きな野菜や果物についても伺いました。
◆小学生の頃から大好き!文具は優秀なコミュニケーションツール
私が文具を好きになったのは、父の書斎がきっかけです。書斎には本の他にタイプライターや万年筆などが置かれていて、当時小学生ながらシンプルな大人の道具に心ひかれたものです。また、高校時代に交換留学でカナダのバンフ・スプリングス・ホテルに宿泊したのですが、そこで目にしたホテルのオリジナルレターセットも、海外の文具に興味を持ったきっかけのひとつになりました。ライティングデスクの引き出しを開けた時に、「こんな素敵なレターセットがあるなんて!」と、その紙質やデザイン、ロゴなどに魅了されました。
文具は、小学校に通い始める頃から誰もが毎日使う身近な道具ですし、程度の違いはあっても好きな人が多いですよね。文具の話をすると、「私もペンが好き」「シールを集めているんです」など会話が弾みますし、優秀なコミュニケーションツールだと感じています。
アナウンサーとして大学教授にインタビューさせていただくことも多いのですが、男性の場合、天気や食事の話をするよりも、胸元からさっと取り出されたペンなどを話題に上げることで、心を開いていただいたことが何度もありました。私にとって素敵な男性の条件は、胸ポケットに上質なペンを差していること。勝手な判断基準ですが、文具好きとしては大切なポイントなんですよ。
◆元の持ち主はどんな人?ストーリーを想像して楽しむ
パリをはじめとする海外の文具には、昔から変わらない色使いやデザインといった味わい深さがありますよね。特にアンティークの文具を手に取ると、その向こう側にある生活文化を垣間見ることができたり、「いつ頃、どんな人が使っていたのかな」と想像させる余白があります。
海外の文具店や雑貨店にはオリジナル商品も多くあります。大量生産ではないので、「迷ったら買う」が私のポリシー。文具との一期一会の出合いを大切にしています。
滞在中は、カフェで感じの良い“手紙席”を見つけて旅日記を書いたり、お世話になっている方々はもちろん、自分宛てにも手紙を出します。帰国して届いた時にパリの空気を思い出すことができるし、ハガキに書いてあるくすぐったい言葉たちも愛おしくなるんですよね。
◆秋はぶどうやりんごを使って
パリ滞在中の食事は、サンジェルマン地区のビオマルシェがお気に入り。朝食を食べずにマルシェへ行き、有機の小麦粉を使ってその場で焼いてくれるガレットをいただきます。アパルトマンなどに宿泊している時は、マーシュやルッコラなどの西洋野菜を袋いっぱいに買って帰り、チーズや生ハムと一緒に夕食としていただくこともあります。
健康のために取り入れているのは、毎朝のグリーンスムージー。もともとは「はなまるマーケット」でグリーンスムージーの特集を担当したのがきっかけで、もう4、5年続いています。
キウイやバナナなどのフルーツと、小松菜、ブロッコリースプラウトなどの野菜をミキサーにかければできあがり。お腹にもやさしいし、血糖値の急な上昇をおさえられるのでおすすめです。秋にはぶどうやりんごなどのフルーツを使うことも多いですね。
ジャム作りは私のストレス発散になっています。砂糖の代わりにメープルシロップやはちみつ、アガペというスーパーフードを使い、黒こしょうやクローブ、乾燥ミントなどをまぜて大人の味に仕上げるのが堤流です。
●プロフィール
つつみ・のぶこ フリーアナウンサー、昭和女子大学非常勤講師、エッセイスト。福岡県生まれ。青山学院大学を卒業後、FBSにアナウンサーとして入社し、その後フリーに。NTV「ズームインスーパー」やTBS「はなまるマーケット」などで長年レギュラーを務め、テレビやラジオ、講演、司会など多岐にわたり活躍中。エッセイストとして、文具・雑貨の旅をテーマにした著書に『旅鞄いっぱいのパリふたたび』『旅鞄いっぱいのパリ・ミラノ』『旅鞄いっぱいの京都・奈良』などがある。現在、「旅鞄いっぱいのパリサロン」を毎月開催中。
パリサロン情報 https://www.facebook.com/trunkparis
●『旅鞄(トランク)いっぱいのパリふたたび』
堤信子著 実業之日本社 1,500円(税別)
旅好き、ステーショナリー好きとしても知られる堤さん。20年以上訪れているというパリでのお気に入りの文具屋や雑貨屋、カフェなどについて、写真とエッセイで綴っています。