72候を楽しむ漢方スローライフ(64)あつい風いたる

2015.07.01 240号 08面
イスクラ婦宝当帰膠B

イスクラ婦宝当帰膠B

まぐろの漬けとアボカド丼

まぐろの漬けとアボカド丼

 夏の訪れを感じて(小暑初候 7月7日~11日頃)

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 梅雨が明け、吹く風が熱を帯び始める頃。日ごと陽射しが強くなり、いよいよ夏の到来です。暑さをねぎらう暑中見舞いは、この時期に送るのが習わし。忙しい日常に届く一葉のはがきは、嬉しいものですね。日頃会えない友人や知人に、近況を添えて夏の便りを出しましょう。

 ●夏は冷房病に気をつけて

 夏を迎えるとクーラーの効いた室内で過ごすことが多くなります。そこで気をつけたいのが、“冷房病”と呼ばれる身体の不調。

 中医学(中国の伝統医学)では、クーラーの冷たい風に長く当たっていると、身体のエネルギーとなる「陽気」を消耗してしまうと考えます。すると、身体が冷えやすくなり、血流が悪化。胃腸の機能も低下し、冷えや肩こり、頭痛、関節痛、生理痛、食欲不振、疲労感といった不調を起こしやすくなるのです。また、陽気が不足すると免疫力も落ちてしまうため、かぜや胃腸炎などにかかりやすくなる心配も。

 こうした冷房病の症状を放っておくと、秋バテに悩まされたり、冬に足腰が痛んだりと、不調を長く引きずることも少なくありません。女性や高齢者は特に身体が冷えやすいので、不調を感じたら早めに回復するよう心がけましょう。

 ●身体を温める「陽気」「血」を養う

 冷房病の予防・改善は、栄養をしっかり取って、陽気と血を十分に養うことが基本。そのためにも、冷たい飲食や水分の取り過ぎに注意して、胃腸を元気に保つよう心がけましょう。

 身体を温めて陽気と血の巡りを良くすることも大切です。クーラーの効いた室内では、羽織ものや膝掛けなどで冷えない工夫を。お風呂はシャワーですませず、毎日の入浴を心がけましょう。汗をかいて毛穴が開くと冷えが入り込みやすいので、入浴後は扇風機やクーラーを控えることもポイントです。

 おすすめの食材は、身体を温めるねぎ、にら、しょうが、気や血を補う長芋、アボカド、にんじん、まぐろ、うなぎなど。

 漢方では、血を養って身体を温める「イスクラ婦宝当帰膠B」「イスクラ参茸補血丸」、冷えからくる痛みやしびれに「イスクラ独歩顆粒」などがよく使われます。

 監修:秋本佳媛(中医学講師)

 ◆ハレの日薬膳レシピ:まぐろの漬けとアボカド丼

 気や血を補うまぐろ・アボカド・長芋を使って

 <材料:2人分>

 ・温かいごはん…………丼2杯分

 ・まぐろ(刺身用・赤身)……120g

 A・酒……………………大さじ1

 A・みりん………………大さじ1

 A・しょうゆ……………大さじ2

 ・アボカド………………1/2個

 ・長芋……………………5cm

 ・きざみのり……………適量

 ・おろしわさび…………適量

 <作り方>

 (1)まぐろは1.5cm角に切る。鍋にAを入れて中火にかけ、ひと煮立ち(大きな泡になるまで)したら火を止めて冷まし、まぐろにかけて冷蔵庫で30分ほど漬ける。

 (2)アボカドは縦半分に切って種と皮を取り、1.5cm角に切る。長芋は皮をむき、1cm角に切って酢水にさらす。

 (3)丼にごはんを盛り、中央を少しくぼませて、(1)のまぐろ、(2)のアボカドと長芋をのせる。その上にきざみのりをのせ、わさびを添える。

 ※お好みで残った漬けダレをかけて。

 ●季節のオススメドリンク:百潤露

 潤いアップでお肌と腸を健やかに

 ●瑞々しい新しょうがの季節。紅色を愛でながら身体を温めましょう。

 24節気72候は、古代中国で始まった暦が日本でも取り入れられ、風土気候に合わせ明治まで使われていました。日々の中に少しずつ感じられる季節の移ろいを、楽しみましょう。

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