野菜好きさん必見!日本初、青果パッケージの本が登場 『未開封の包装史』(林健男著)

2017.04.01 261号 07面
ホクトの水野雅義社長(左)と精工の林健男会長。ホクトは環境問題を重視し、ブナシメジをトレー包装から袋包装へとチェンジしたパイオニア

ホクトの水野雅義社長(左)と精工の林健男会長。ホクトは環境問題を重視し、ブナシメジをトレー包装から袋包装へとチェンジしたパイオニア

 いま、スーパーの野菜売り場にはさまざまな形のパッケージが、産地や生産者の情報を載せて並んでいます。農産物が販売され始めた頃、農産物は「わら」に包まれており、その後、木箱に。現在の原型ができたのが1960年代、プラスチックの普及とともに青果物包装も進化を遂げました。これら知られざる野菜包装の歴史本が、106年の歴史を持つこの業界のパイオニア、精工の林健男会長によって書き下ろし出版され、話題を呼んでいます。

 ●パッケージが果たす役割

 青果物がフィルムの袋に包まれている最大の目的は、「商品保護」と「鮮度保持」。現在では表示機能も果たしています。「誰がどこでつくったのか」という情報に加え、自分の欲しいおいしさを求めるための手掛かりも必要です。最近では産地や生産者情報、栽培方法等の特徴が記載されるようになり、私たちも選びやすくなりました。

 ●結露やカビを防ぐ工夫も

 農産物は生き物なので、収穫された後も呼吸を続けています。そこで、防曇機能(曇り止め)のフィルムを使って結露やカビ等を防いでいます。たとえば鮮度保持のためS&Sフィルムを使用したり穴を開けるなどして、野菜にストレスをかけないようにしています。葉物野菜の場合、袋に包むのと裸のままでは廃棄率が約30%違うといわれています。となると、家庭で保存する際も、その袋のまま保存する方が良いということ。チャック付き袋も、使い切れなかった青果物を保存しておくのに有効です。

 そんな情報の知恵袋としても、野菜・果物のデザインに興味がある人にも、オススメの1冊です。

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 『未開封の包装史』 林健男著、ダイヤモンド社。1,500円(税別)。書店またはWEBでも購入可能。

 http://www.dpri-net.com/onlineshop/148.html

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