漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(127)寒露 澄んだ秋晴れ、空を見上げて
●24節気 寒露(10月8~22日)
寒露(かんろとは、初秋の頃、野草に宿る冷たい露のこと。露が冷たい空気と接して、霜に変わる前の時期ともいえます。秋分から数えて15日目ぐらい。気がつけば秋の長雨が終わり、本格的な秋です。
稲刈りが終わり、他の農産物の収穫もたけなわ。私たちの食卓にはたくさんの大地の恵み、初物が届きます。北の方から順々に紅葉の便りが届きはじめます。大気の状態が安定しているので、空気が澄んだ秋晴れの日が続き、夜には月も美しく輝きます。燕などの夏鳥と雁などの冬鳥が交代します。
虫の音も響いています。秋は深くなっていきますが、まだ寒さは厳しくはない。寒露のいまは、心を澄ませてぜひ空を見上げる時間をつくってみてください。美しい自然の移ろいの中で、きっと何か気づきがあるはずです。
まさに野菜は穫れたて、果物も甘く、魚も脂がのりおいしい季節。滋味を味わいながら、乾燥しがちな身体を潤して、晩秋の冷気から肺を守る食事を心がけましょう。
旬の味覚、おすすめめは栗。補気作用、健脾補腎の効能があります。また、栗のビタミンCはでんぷん質に守られ、加熱しても壊れにくいのが特徴です。
●栗
【栄養学】ビタミンB1・ビタミンC・カリウムを含み、高血圧を予防します。渋皮に含まれる「タンニン」には美肌効果も。
【薬膳学】食欲不振や冷えによる腹痛・下痢を改善するほか、腎の働きを補い、足腰を強くします。血流を整え止血の作用もあります。
東京栄養士薬膳研究会 栄養士・中医薬膳専門栄養士 三原和子(レシピも)
◆栗入り炊き込みごはん
足腰強化&老化防止
(エネルギー353kcal たんぱく質17.3g 塩分1.3g(1人分))
<材料・2人分>
・栗(生、皮をむいたもの)……10粒
・もち米……1/2合
・米……1/2合
B・酒……大さじ1/2
B・塩……小さじ1/2
・油揚げ……1/2枚
・にんじん……1/4本
・えのきたけ……1/4袋
A・しょうゆ……大さじ1/2
A・みりん……大さじ1/2
A・水……大さじ2
<作り方>
(1)米ともち米は洗って1~2時間、水に浸しておく。
(2)油揚げとにんじんは1cm角の薄切り、えのきたけは2cm長さに切り、すべてをAで煮含める。
(3)(1)とBで炊飯器の目盛り通りの水加減をして、栗と(2)の具を加え、ざっくり混ぜてから炊く。