漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(130)小寒 これから寒さ本番に
ほうれん草
ほうれん草とイカの炒め物
●24節気 小寒(1月5~19日頃)
冬至を過ぎ、寒さが次第に厳しくなる頃。小寒(しょうかん)の季節に入ることを「寒の入り」といい、立春までの1カ月を「寒の内」といいます。「小寒の氷、大寒に解く」という言葉もありますが、小寒に張った氷が大寒に溶けるほど、小寒の方が寒く感じる日もあります。
二十四節気をさらに3つに分けた七十二候では、初候は「芹さかう」と春の七草、せりがすくすく生え始める様子が。次候は「水泉(すいせん)動く」と地中で凍っていた泉が動きはじめる頃、末候は「雉(きじ)はじめてなく」と鳥たちの恋の歌が描かれています。
ところで、「冬の至り」と書く冬至よりも、その後の方が寒くなるのはなぜでしょうか。それはこの「冬」という言葉が、日差しの強さが最も弱まる日という意味だから。日差しの強弱と地熱の冷えには時間差があります。暖房を切った部屋でも、しんしんと寒さが迫ってくるのは数時間後ですね。二十四節気がつくられた中国・黄河流域の地方と違い海に囲まれた日本では、さらに時間がかかります。
そのため、日本では2月末までが寒さの本番となります。季節のおすすめは、ほうれん草。養血潤燥作用があります。血液をつくり肌の乾燥を防ぎ、身体の免疫力を高めます。
●ほうれん草
【栄養学】緑黄色野菜でβ-カロテンが多く、皮膚や粘膜を強めて免疫力を高める働きがあります。鉄分が多く貧血予防にも。
【薬膳学】血を補う働きがあります。身体を潤す働きがあるので、腸の乾燥による便秘の解消にも効果的です。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 片山芳子(レシピも)
◆ほうれん草とイカの炒め物
貧血予防と免疫力アップ
エネルギー76kcal たんぱく質5.3g 塩分0.5g(1人分)
<材料・2人分>
・ほうれん草……1/2束
・イカ(胴)……1/2ハイ
・にんじん(せん切り)……20g
・にんにく……1かけ
・オリーブ油……小さじ2
・しょうゆ……小さじ1
<作り方>
(1)ほうれん草は、ゆでて4cm長さに切る。にんじんはサッとゆでる。イカは食べやすく切ってゆで、にんにくは皮をむきスライスする。
(2)フライパンにオリーブ油を熱し、にんにくを炒める。色が変わったらにんじんを加えて炒め、次にほうれん草とイカを炒める。
(3)(2)にしょうゆを混ぜて、すぐ火を止め、器に盛る。