漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(134)小満 花も鳥も私たちも

2021.05.01 310号 08面
きゅうり

きゅうり

きゅうりとホタテの冷製スープ

きゅうりとホタテの冷製スープ

 ●24節気 小満(5月21日~6月4日)

 次第に満ちていく頃。何がかというと、それはたくさんの生命です。草木も花々も鳥も虫も獣も。もちろん人も。お日様の光を浴びて輝いていきましょう。

 小満とは「草木が成長して天地に満ち始める頃」。一方、秋にまいた麦などの穂が順調に育ってきて、農家がほっとひと安心するという意味の説もあります。

 二十四節気を3つに分けた七十二候では、小満の初候は「かいこ起きて桑を食う」と、美しい絹糸をつくる虫の活動を。次候は「紅花栄う」と、お化粧の紅が取れる花の咲く頃を。末候は「麦秋至る」、麦は熟して収穫できることを描いています。

 二十四節気は、古代中国黄河流域で誕生した農事暦で、大陸の真ん中であるその土地と、海に囲まれた島国の日本では相違があり、そのことから現代日本の気候と少々ズレがある時もあります。けれど、この小満はピッタリです。春と秋の穏やかな期間がたっぷりあること、この初夏にすべてがゆっくり満ちていくこと。そしてきちんと暑さ、寒さのある夏と冬。日本はおそらく地球で一番穏やかな豊かさ、振り幅を持つ土地だと考えられます。だから食も豊かですね。梅雨前のいま、自然も食も満喫しましょう。

 ●気象歳時記

 五運六気・辛丑年(2021年)

 いまの時期は、例年より早く太陰湿土を迎えるため、雨や曇りの日が多いかもしれません。

 ●きゅうり

 【栄養学】96%が水分のため、脱水症状の予防に効果的。カリウムも含み、体内から余分な塩分も除いてくれます。

 【薬膳学】すぐれた利尿作用によって、身体の余分な熱を取り、ほてりをしずめます。

 東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 中島和枝(レシピも)

 ◆きゅうりとホタテの冷製スープ

 ほてった身体を冷やします

 エネルギー42kcal たんぱく質6.0g 塩分1.1g(1人分)

 <材料・2人分>

 ・きゅうり……1本

 ・ホタテ貝柱……小4個

 ・セロリー……30g

 ・中華だし(顆粒)……小さじ1

 ・水……2カップ

 A・しょうゆ・酢・しょうがのみじん切り……各小さじ1/2

 <作り方>

 (1)きゅうりは薄切り、セロリーはみじん切り、ホタテは横に3枚に切る。

 (2)鍋に水と中華だしを入れて火にかけ、沸騰直前にホタテを入れ、冷蔵庫で冷やす。

 (3)きゅうりとセロリーをボウルに入れ、Aを加えて10分ほどおく。

 (4)(2)に(3)を入れて、さっと混ぜる。

 ※きゅうりは、できるだけ薄く切りましょう。スライサーなどを使うと便利です。

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