百歳さんこんにちは:愛知県・岡島良平さん(99歳)

2009.08.10 169号 06面
福禄寿の揮毫を手に

福禄寿の揮毫を手に

軟らかめの玄米と地の無農薬野菜が健康のもと

軟らかめの玄米と地の無農薬野菜が健康のもと

 愛知県碧南市に住む岡島良平さん(99歳)は、穏やかな性格。郷土の偉大な芸術家、藤井達吉を生涯の研究課題にしている。俳句、書、陶芸を長年嗜み、俳人種田山頭火の句碑の揮毫を全国80以上も手がけてきた。

 ◆俳人、山頭火の句碑の揮毫

 「書はとくに師についたわけではなく、自己流です。“三河知多山頭火の会”で、句碑を建てた時、私の字が気に入られて、それ以来、豊川閣や永平寺、善光寺、さらに北海道にも出かけて、山頭火の句を揮毫しました。山登りも好きで、これまで、3000m級の山は踏破してきました」。生活信条は「自然に従う」と、穏やかな笑みを浮かべて語る。

 ◆人望厚く無私無欲に

 岡島さんは中学4年の時に結核性腹膜炎で休学、その後病院を転々とし、十数年も闘病生活を続けた。

 昭和20年9月、同郷で15歳年下の親戚筋にあたるヒサヱさんと華燭の典を挙げた。ヒサヱさんは「女学校を出たばかりの20歳の私は、友人たちがまだ独身だったので、結婚する気はなかったのです」と、当時の心境を正直に説明する。しかし、岡島さんの両親がヒサヱさん一族に“三顧の礼”を尽くした。

 病弱で兵役を免れた岡島さんは終戦後の昭和28年、まだ町に銀行がない時代に、初代の碧南市民信用組合の理事長に就いた。父親が町長であったことから、長男の岡島さんの人望も厚かった。

 「私は大病を患ったこともあり、無私無欲で生きてきました。60歳まで生きられればと思っていましたが、今年10月には百歳になります。長生きできたのはひとえに妻のおかげです」とヒサヱさんに視線を送りながら、にこやかに自問自答するように自然体で語る。「主人のために尽くしたことが自分の健康を保てたのだと思います」と、ヒサヱさんは謙虚だ。

 ◆玄米のお粥が長寿の秘密

 長寿の秘密はヒサヱさんが毎日5時に起きて炊き上げる軟らかめの玄米のおかげにもよる。

 「前の晩に電気釜のスイッチを入れておきます。それから、健康のために、なるべく、無農薬の地の旬の野菜、それもなるべく色の濃いカボチャや大豆などを献立に使っています」。心のこもった料理に岡島さんはいつも感謝の気持ちを忘れない。

 ●あなたの周囲の元気な99歳(白寿)以上の方をぜひご紹介ください。百菜元気新聞編集部TEL03・6679・0212

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