TBSドラマ「官僚たちの夏」ウラ話 あの頃の食卓再現はどうやって!?
◆あの頃の食卓再現はどうやって!? ちょっと考えてみたい、食の豊かさって何だろう
TBSの日曜劇場、作家・城山三郎原作の「官僚たちの夏」が話題だ。昭和30年代、敗戦国の日本を世界と肩を並べる豊かな国にしたいという使命感に燃える、熱き通産官僚たちの活躍が描かれている。
当時の社会風俗などを忠実に再現したビジュアルも見どころだけれど、例えば主人公“ミスター通産省”こと風越信吾(佐藤浩市)の家庭の料理、いったいどうやって再現しているのかしら…。調べて見たら、赤堀料理学園・赤堀博美校長が担当しているとのこと。でもネタはどうやって?と思ったら、現校長で6代目の当校のこと、その頃の教科書がきちんと保存されているのだ。
「テキストを見ると、当時の食文化はいまよりずっと豊かな感じがします。バランスが取れている豊かさですね。欠けている物がない。お野菜がたくさんに少量のタンパク質、日本人の身体に必要な物がすべて揃っている。食材だけでなく、作り方も豊か。時間のゆとりがあるからでしょうけれど、とても丁寧に作っています。季節の物を食べるとか、お店も売れ残りが出ないようにちゃんとみんなで買えるだけの物を置くとか。一方、物語の当事者たちは、足りないに違いないと思っているようです。戦争が終わって10年、これから日本が豊かにならなければならないという精神面があるので」
それから何十年か、メタボリックシンドロームに悩む人も多いいまの日本。中庸って難しい。とりあえず昔の食卓をドラマで観察すると、いい加減のヒントがあるかも。
○赤堀博美校長
「祖母が書いた『1週間の献立』という本では、同じ物を一週間食べ続けています。アジを買ったら最初は刺身で、段々いろいろ変化していって最後はそぼろにして最後までいただく。究極のぜいたくですね」