食品経営者フォーラム開催 安藤宏基氏が講演 シュガー税など念頭に
11月26日に開催された日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラム11月定例会では、日清食品ホールディングスの安藤宏基社長・CEOが、「EARTH FOOD CHALLENGE~地球のために。未来のために。~」をテーマに講演し「経営を取り巻く環境は厳しく、温室効果ガス、倫理的な調達、生物多様性、災害対策、塩分、フードロス、海洋プラスチックなど全てを経営者が考えなければいけない時代。また、新たな税制度の兆候としてのシュガー税、ソルト税、カロリー税も考えなければいけない」と語った。
安藤氏は、第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)の開催に触れ、まずは各企業でCO2をどうするか検討すべきとした上で、「日清ではインスタントラーメンの開発5原則に加えて人の栄養と健康、そして環境保全を念頭に2030年のカップヌードルとはという視点で商品設計を行っている」と強調。例えば人の栄養と健康の面では、肥満の増加を発端とした米国、英国、フランス、タイ、メキシコ、ハンガリーなどで導入されているソーダ税、シュガー税、カロリー税、ソルト税などに言及し、各種取組みは今後の経営に大きく影響を及ぼすと述べた。
また環境保全に関連しては、カップ容器のプラスチック使用量をほぼ半減し、焼却時に排出されるCO2量は16%減にするバイオマスECOカップの利用について触れた。
安藤氏は、創業者精神は変わることのない価値観であり、企業理念を「EARTH FOOD CREATOR」に設定した自身の代で、1社では難しい取組みも業界全体で取り組んでいきたいと語った。(阿久津裕史)