食品経営者フォーラム、大日本水産・枝元真徹会長が講演 持続可能性確保へ
●食料システム全体で解決を
日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラムが14日、東京都内で開催され、大日本水産会の枝元真徹会長(前農林水産事務次官)が、食料システムにおける持続可能性の確保に向けてをテーマに講演し、「持続可能性の問題は、調達、生産、加工、流通、販売、消費と食料システムとして考えることが大事で全体で取り組まないと解決しない。特に川上と川下に直接向き合っている食品産業が重要だという認識を共有したい」と語った。
枝元会長は、持続可能性に赤信号がともっているさまざまな現状に触れた上で、持続可能な社会の実現には食品産業が大きく関わっていると指摘。そして、農業食品業は厳しい現状にあるが、温室効果ガス排出量、エネルギー転換、品種改良ではゲノム編集など、農業食品は夢がある分野であるとともにイノベーションの宝庫だと強調した。
また農林水産省で作成した「みどりの食料システム戦略」では、各種課題についてイノベーションで対応しようという考え方であるし、世界中でさまざまな持続可能性の課題解決に向けた取組みが進む中、日本国内食品企業、ひいては、農業者も乗り遅れるわけにはいかないと課題感を示すとともに、大手食品企業には地方の取引先なども含めて、何から取り組めば良いのか、情報開示・情報共有をぜひ進めていただきたいとまとめた。(阿久津裕史)