創味食品、だし酢拡大へ本腰 大容量・業務用も拡充

調味 ニュース 2020.02.12 12012号 01面

【関西】創味食品は「創味 だしのきいたまろやかなお酢(だしまろ酢)」の大ヒットを受け、だし酢市場の定着・拡大に本腰を入れる。得意のだしを前面にうたった初の調味酢「だしまろ酢」で新たに創造した市場をさらに成長させるべく、20年は同品大容量サイズと甘みを抑えたプロユースの2品を拡充する。=関連記事2面(深瀬雅代)

酢の持つ健康イメージと使い勝手の良さで近年拡大してきた調味酢市場だが、“だし”にフォーカスした商品は市場にありそうでなかった便利酢として「想定を超える大ヒット」(山田佑樹社長)となった。まろやかな酸味とうまみで幅広い層に好まれる味わい、汎用(はんよう)性の高さも受け、19年3月の発売から売上げが右肩上がりを続けている。

出荷数は10ヵ月で500万本、配荷率も同社の看板商品「創味のつゆ」を超えるなど、同社内で記録を打ち立てた上、業界内でも注目が集まり、他社が追随商品を投入する現象が起こっている。

だしが得意な同社らしいコンセプトの「だしまろ酢」だが、あえるだけ、かけるだけ、漬けるだけの簡単調理でいろんなメニューに使える上、一度に大量を要するピクルスに愛用され、利用者がヘビーユーザー化する傾向もあり、「500mlはすぐ使い切ってしまう」との消費者の声が増えたことから、今春は1Lサイズ=写真(右)=を発売。4月からは明石家さんまのTVCMも全国放映し、汎用性の高さを啓発してさらなる認知度アップを図る。

一方、業務用ルートでも「だしまろ酢」のオペレーションの良さを聞きつけて問い合わせが相次いだため、甘みを抑えたプロ仕様の「創味 だし酢」(1.8Lパック)=写真(左)=を発売する。

人手・技術不足の外食業界で和洋中の業態を問わず、酢の物、マリネや寿司のあえ調理以外にも、ピクルス、南蛮漬けなどの漬け調理、サラダ・唐揚げのかけ調理、照り焼きややわらか煮など幅広い調理方法で使える点を訴求していく。

●合わせ酢市場をけん引

酢に味が付いた合わせ酢調味料は時短調理に欠かせないと年々市民権を獲得し、市場規模は19年も約8%の伸長になったと推計される。合わせ酢の中では古くから和食で使われる土佐酢にもだしが入っているが、創味食品の「だしまろ酢」は和洋中のメニューを問わずに使える点で一線を画す。

消費者に使い勝手の良さが認知され、各メーカーも酢とだしの相性の良さにあらためて着目。食酢トップのMizkanが昨秋「カンタン酢まろやか和風だし」を発売したのに続き、ヒガシマル醤油も「京風割烹 白だし酢」を今春から投入する。

有力各社の相次ぐ参入により、だしがキーワードの合わせ酢市場は、ますます活気を帯びそうだ。

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