新技術・食品開発賞特集
新技術・食品開発賞特集:第34回(令和2年度)新技術・食品開発賞講評
◆講評:令和2年度「第34回新技術・食品開発賞」選考経過報告
選考委員長・農林水産技術会議元事務局長 岩元睦夫
●コロナ下、課題多い年 積極的な食品開発に敬意
日本食糧新聞社制定第34回「新技術・食品開発賞」の選考委員会は、令和2年12月1日、日本食糧新聞社・食情報館(東京都中央区)で開催された。審査には8人の委員があたり、開発目標・独創性・学会などでの評価および市場性などの視点から慎重に評価を行った結果、以下の6品が選考された。
開発した新規粉砕法によりコーンスターチやデキストリンなどの固結防止剤を用いなくても50日間以上固結しない粉糖「粉糖初雪 純糖タイプ」(上野砂糖)、固形ルウと調味料粉末を混合しながら粉砕し粉粒状カレールウを製造するパウダールウ製法による「本挽きカレー(中辛・辛口)」(エスビー食品)、豆腐を主原料に大豆臭が抑制され食感が改善された植物たんぱく新素材でチルド流通の「ソイルプロ そぼろタイプ」(ニップン、オーケー食品工業)、酸性下で乳タンパク質が凝集する課題を克服した酸性タイプの筋肉増強効果が高い乳タンパク質飲料「ザバス MILK PROTEIN」シリーズ(明治)、免疫反応抑制効果が明らかにされた乳酸菌ヘルべを利用したヨーグルト市場初の「目や鼻の不快感を緩和する」機能性表示食品の「乳酸菌ヘルべヨーグルト ドリンクタイプ」(雪印メグミルク)、金型冷却プレス法でシェルの厚さを揃え食べ心地に改善を加えたミルクチョコレート「ラミー」(ロッテ)。
本年度はコロナ禍の影響から、食品製造業も様々な課題を抱えた年であったと思われる。そんな状況下で積極的に応募いただいた各社に対し心より敬意を表する。