似たモノ商品徹底比較:人気のクラフトコーラ 飲みやすさと個性が二分
コンセプトやパッケージデザイン、ネーミングなど、似ている商品を取り上げ、それぞれの特徴を解説。さらに消費者の反応も交え、類似商品が出ていることで分かる“話題の商品”を探る。
◆類似点・相違点のポイント
クラフトコーラといえば小規模で製造されるイメージが強かったが、いま、大手メーカーや小売のPB製品が話題になっている。その味作りはいかに、ということでクラフトコーラを徹底比較。
試飲前は「三ツ矢〈クラフトコーラ〉」(アサヒ飲料)が1位。炭酸メジャーブランドが「ついにコーラを!?」という驚きと期待から注目された。2位は「ドライクラフトコーラ」(カルディ)。希釈タイプでクラフト感が強く、容器のかわいらしさからも興味が持たれた。試飲後は試飲前と同じ結果に。「三ツ矢–」は個性の面では物足りなさはあるものの安心して飲める点がコーラとして最も合点がいったようだ。「ドライクラフトコーラ」はスパイスの味わいが独特で、自分好みのアレンジを試しながらじっくり楽しみたいと評価された。「クラフトコーラ」(成城石井)は他の製品と異なり酸味のある点に個性があり、「SPICE FACTORYザ・クラフトコーラ」(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)は、食事にも合いそうな飲み口がダイエットコーラに近いという声があった。
コーラは、メジャーブランドのイメージが断然強く、爽やかにゴクゴク飲みたいと思う人が多い。しかし、スパイスから手作りするレシピがあるように、自分好みを探したい人はより個性的なものに興味をそそられる。“飲みやすさ”と“より強い個性”にニーズが二分されているため、この2点が同居することは難しいだろう。冒険したい人向けの後者には、スパイスの効能別や素材の地域感を持たせたアイテムなど、まだまだ展開が期待されているようだ。
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詳しくは、月刊「食品新製品トレンド」の「徹底比較」コーナー参照。同誌では、新製品開発に役立つ情報やヒント、市場動向など多数の記事を掲載しています。
▽専用HP=「食@新製品」http://foodsnews.com/
●アサヒ飲料「三ツ矢〈クラフトコーラ〉」
▽発売日=1月18日、全国▽価格/内容=140円(税別)/500mlPET▽商品特徴=炭酸飲料。新「三ツ矢 クラフト」シリーズ。王道のコーラフレーバーをベースに、柑橘と8種の厳選スパイスを隠し味として使用。爽やかで程よい甘さが楽しめる。
●カルディ「ドライクラフトコーラ」
▽発売日=21年6月全国、カルディ▽価格/内容=375円(税込み)/195ml瓶▽商品特徴=嗜好飲料。クラフトコーラシロップ(本品と炭酸水を1対3の割合で希釈)。たっぷりのスパイスにショウガや柑橘を合わせた、爽やかで甘さ控えめなすっきりとした飲み心地。
●成城石井「クラフトコーラ」
▽発売日=21年6月20日全国、成城石井店舗、オンラインショップ▽価格/内容=270円(税込み)/410mlPET▽商品特徴=炭酸飲料。ショウガやシナモン、クローブなど6種のスパイスと4種のフルーツ果汁を絶妙に組み合わせた。カラメルシロップで奥行きのある甘みを加え、つなぎ役の燻製酢で一体感を出した。
●ポッカサッポロフード&ビバレッジ「SPICE FACTORY ザ・クラフトコーラ」
▽発売日=21年9月6日、全国リニューアル▽価格/内容=140円(税別)/450mlPET▽商品特徴=炭酸飲料。コーラに適したナツメグ、カルダモン、シナモン、クローブ、ジンジャー、ダークチリ、オレガノ、陳皮、クミン、ガーリックの10種のスパイスを使用。ジンジャーを強めて刺激とコクのある味わい。