居酒屋のロングセラー「樽ハイ倶楽部」を家庭向けサワー缶に 家飲みRTD提案
アサヒビールが成長を続けるRTD(レディ・トゥ・ドリンク)市場に、「家飲み専用」の新提案をスタートする。1984年発売の業務用の人気老舗ブランド「樽ハイ倶楽部」を家庭用缶アイテムとして今月31日に発売。消費増税に新型コロナ問題が重なり外食市場が冷え込む中、拡大が予想される自宅での飲酒を楽しむためのRTDとして提案する。居酒屋で長年親しまれてきたロングセラーのブランド力を環流させ、家庭用での需要取り込みを狙う戦略商材だ。
「樽ハイ倶楽部」は日本で初めての業務用樽詰サワーブランド。発売から35年を超えた現在、主力ビール「スーパードライ」取扱店の半分に当たる全国13万店に導入されており、「樽詰サワー市場のシェア57・1%を誇るトップブランド」(マーケティング本部RTDマーケティング部の近藤祐司ブランドマネージャー)だ。
家庭用向けに発売するのは「同レモンサワー」とほのかな柑橘風味の「同大人のサワー」で、アルコール度数はどちらも飲食店のサワーと同じ8%と高め。350mlと500mlをラインアップする。
缶パッケージには「居酒屋で超人気」「10万店が認めたサワー」「ついに缶で登場!」などと明記し、ブランドが持つ歴史と規模感を最大訴求する。
今後、飲食店向けの専用グラスには、おなじみの「樽ハイ倶楽部」のロゴを従来以上に大きく配置するほか、印象的な“紳士淑女”マークを記載。店内POPとも連動させアピール力を強める。発売から3ヵ月間は人気検索サイト「食べログ」にPR広告を投下する。
家庭用向けにもロゴ記載のオリジナルジョッキが当たるキャンペーンやMr.マリックを起用したオリジナル動画をWebや首都圏を中心とした交通広告、TVの深夜番組内のタイアップCMで展開していく。
アサヒビールは今年のRTD戦略として「独自価値領域」でのブランド強化を推進している。「家飲み」を前面に打ち出した新提案で、躍進を続けるRTD市場でさらなる新需要の創出につなげたい意向だ。